日退教活動方針

23・24年度活動方針(2023年6月9日50回定期総会)

Ⅰ 特徴的な情勢

1 コロナ禍の世界、ロシア・ウクライナ戦争

新型コロナウイルス感染は、日本ではこれまでおおよそ3,400万人が感染しました。死亡者は7万人に達しました。
世界では、7億6千万人以上が感染し、死者は690万人に至っています(2023年5月1日)。コロナ感染によって、世界の工場が操業中止に追い込まれ、流通が破壊され、モノの流れが止まりました。ロシアのウクライナ侵攻と相まって物価が高騰しました。インフレ退治に各国は、公定歩合の引き上げを行った結果、地方銀行に金詰りが生じ、金融不安が起きています。
長引く感染症で国民は苦しい状況にあり、まして高齢者は物価高騰の中、医療費の自己負担の大幅上昇、年金の実質切り下げにより、厳しい生活を余儀なくされています。

ロシアのウクライナ侵攻開始から1年を超えました。ウクライナでの戦争は、NATO対ロシアの戦争の色合いが強まり、停戦がますます困難になってきています。
この戦争は世界の食料不足、エネルギー危機を招き、コロナの影響もあって、インフレを招く事態になりました。「戦争に勝者はいない」と言われています。犠牲者を食い止めるために停戦を実現させなくてはなりません。

2 岸田政権の憲法改悪の動き

昨年7月8日、安倍元首相が狙撃され死亡しました。狙撃犯と家族の生活破壊、安倍氏と「統一教会」の深い関係、政界に根を張ったカルト集団の実態、また、改憲や家族の在り方等、「統一教会」の政策への関与が明らかになりました。
岸田政権は、安倍氏について、9月27日に多額の国家予算を使って法的根拠のない「国葬」を行いました。安陪氏の首相在任中の平和・民主主義・人権に敵対し、戦争する国への転換と、モリ・カケ・サクラに見られる政治の私物化・腐敗の実態を無いことにするためでした。
先ごろ開かれたG7サミットでは、こともあろうに被爆地広島で核兵器禁止条約には一言も触れないばかりか、「核抑止は防衛目的」のためだとして、核兵器を「正当化」しました。
安倍氏の遺志を継がされた岸田首相は、今次国会において「任期中に憲法改正を実現したい、憲法改正は先送りできない課題であり、こうした考えはいささかの変わりもない」と発言しています。
衆議院憲法審査会では、自公は維新の会、国民民主党を巻き込んで、とにかく審査会の開催を重ねて、改憲発議に向けて突き進んでいこうとする姿勢が明らかになっています。
日退教は、憲法前文にある「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意」するとした憲法理念を今こそ胸に刻み、日教組、平和フォーラム、戦争させない1000人委員会と連帯して「教え子を再び戦場に送るな」の決意のもと、戦争をさせないためのとりくみが必要です。

3 安保三文書改訂と防衛費倍増

アメリカは、日本に対してNATO諸国並みの軍事費増大を求め、岸田政権は唯々諾々とアメリカに追随し、防衛予算を2倍にし、「安保3文書(国家安全保障政策、国家防衛戦略、防衛力整備計画)」改定を閣議決定しました。防衛費の予算水準を現在の国内総生産(GDP)の2%を目指すとなれば日本は世界3位の軍事大国になります。
国家防衛戦略では、周辺国への認識として、中国については、「対外的な姿勢や軍事動向等は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり(中略)これまでにない最大の戦略的な挑戦」としました。北朝鮮については、「従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威」としました。ロシアについては、「中国との戦略的連携強化の動きもあいまって安全保障上の強い懸念」として、緊張を煽っています。
これまで、日本は「非核三原則」を守り、他国に脅威を与える「軍事大国」にならず、相手から武力攻撃を受けたときに防衛力を行使する「専守防衛」に徹するとしてきました。こうした安全保障政策を大転換させて、相手の領域で有効な反撃を加えることができる「敵基地攻撃能力」を保有するとしました。
岸田首相の訪米に合わせて行われた、日米2+2会議で、「自衛隊による嘉手納弾薬庫地区の追加的な施設の共同使用、日本の南西諸島を含む地域において、日米の施設の共同使用を拡大し、共同演習・訓練を増加させる」「弾薬の島嶼部への分散配置を追求、促進する」として、先島諸島のミサイル基地化と日米共同使用を可能としました。「琉球新報」によれば、先島諸島ではアメリカ海兵隊のミサイル基地は、無人化し、遠隔操作で動く最新式の発射機を使う地対艦ミサイルにするとしています。海兵隊の犠牲をなくす一方、沖縄住民を危険に晒す状況を作り出しています。
2021年に強行可決された「重要土地等調査規制法」により、思想・良心の、表現の自由、プライバシー権などを侵害される危険性が指摘されています。同時にこの法律は、多くの制限を設け、軍事強化に反対する取り組みを困難にしています。

4 脱原発に逆行

岸田首相を議長とする「GX実行会議」は、昨年12月に「GX基本方針」を決めました。
そこには次のような原発推進を軸とする内容が含まれています。

・原子力を最大限利用する。原発再稼働を進め、電源構成で「2030年度に原子力比率20~22%」(第6次エネルギー基本計画の目標)を達成する。
・原発の建て替え・新設も行う。新たな安全メカニズムをもつ次世代革新炉の開発・建設に取り組む。
・「原則40年、最長60年」とされる原発の運転期間の延長を認める。
・六ケ所再処理工場の竣工など核燃料サイクルを推進する。
福島原発事故から12年、倒壊の危険性さえ指摘されている事故炉は、廃炉の道筋が見えてきません。「原子力緊急事態宣言」が解除されない中での、原発推進へ転換は許されることではありません。また、汚染水の海中投棄が計画に乗ってきました。
2010年から2020年の10年間で、使用される電力は12%削減されています。日本の人口は今後減少することは明らかで、当然使用電力は増えることはありません。今こそ、脱原発を実現し、再生エネルギーへの変換を行うべき時です。

5 辺野古新基地建設反対

「安保三文書」の中で、沖縄軍事化について「南西地域の空港、港湾の整備強化、利用拡大・住民避難の迅速化・陸自15旅団を師団に・重要司令部の地下化・自衛隊施設の防護対策」1兆7千億円の記述があります。これは沖縄の最前線基地化に他なりません。
昨年9月11日の沖縄県知事選挙では、現職の玉城デニー氏が2回目の当選を果たし、沖縄県民の意思・新基地建設反対が改めて示されました。
しかし岸田政権は、沖縄県民の意思を踏みにじり、辺野古新基地建設を強行しています。
新基地建設地のキャンプシュワブ東岸の大浦湾に面した埋め立て予定地の海底には「軟弱地盤」があり、地盤強度を示す「N値」はゼロの「マヨネーズ状態」で、到底基地としての使用に耐えられないものです。
玉城知事は、存在する軟弱地盤を理由に防衛庁の設計変更に許可を与えなかったことについて、防衛庁は一国民に偽装して「行政不服審査法」を使い、国交省に申し立てを行いました。
これまで、普天間飛行場所属のオスプレイやヘリの墜落、部品落下、不時着などの事故、トラブルが相次ぎました。県は米軍に対策を申し入れたが、日米地位協定のため、申し入れは届いていません。
米軍嘉手納基地と周辺の河川や地下水で、高い濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が検出されています。PFASは化学物質審査規制法上、難分解、高蓄積、人や高次捕食動物への長期毒性のおそれから、国内での製造・輸入・使用が原則禁止される第一種特定化学物質に指定されており、沖縄県民の命と安全に関わる重大な問題になっています。米軍は、地位協定を盾に県の立ち入りをかたくなに拒否しています。
米軍キャンプシュワブ、ゲート前では、今も連日、新基地建設に反対する市民が抗議活動を続けています。
日退教は、3月に第11次沖縄連帯交流団を構成し派遣・交流を行いましたが、普天間基地撤去・辺野古新基地建設反対の運動は「沖縄の運動」ではなく私たちの運動として、ひきつづき沖縄県・高両退教とともにとりくみます。

6 少子高齢化と社会保障(含教育)を取り巻く情勢

(1)65歳以上の高齢者は、2015年の 3,387 万人から、22年には 3,627 万人へと増加し、第二次ベビーブーム世代が老年人口になる42年に 3,935 万人でピークを迎えます。
一方、厚生労働省が発表した、22年の人口動態統計速報によれば、22年の出生数(外国人なども含む)は79万9,728人となり、1899年の統計開始以降で初めて80万人を割り込み、過去最少を更新しました。2040年には65歳以上の人口が35.3%、75歳以上は20.2%となり、未知の「超少子・高齢社会」に突入します。
(2)「社会保障の全体像をいま一度俯瞰し、その再構築を図る」ことを目的に議論を進めてきた、「全世代型社会保障構築会議」は、昨年12月16日、報告書を発表しました。「全世代型社会保障」の将来方向として、次の3点をあげています。
① 「少子化・人口減少」の流れを変える
② これからも続く「超高齢社会」に備える
・ 働き方に中立的な社会保障制度を構築し、労働力を確保する
・ 社会保障を皆で支える仕組みを構築し、ニーズの変化に的確に対応する
③ 「地域の支え合い」を強める
分野ごとの改革の方向性や工程を整理したとしていますが、肝心の少子化対策は財源議論が手つかずで、今夏まで先送りになり、「持続可能な社会保障の全体像」を十分に描けたものとはいえず、さらに今後の議論に引き継がれます。会議と並行して社会保障審議会各部会の議論も再開され、当面の施策の法案化、や継続課題の整理が行われています。
岸田首相の「異次元の少子化対策(経済支援・サービス充実・育休強化)」は財源論抜きでの議論が進んでいます。6月の骨太方針までに具体策を示すとされていますが、防衛費倍増に向けての予算措置は着々と進めながら、これについて示さないのは無責任です。
2023年1月20日、厚労省は2023年4月からの年金額について、新規裁定者(67歳以下)は2.2%、既裁定者(68歳以上)は1.9%の引き上げを公表しました。新規裁定者は賃金の上昇に伴う年金改定で、既裁定者は物価上昇に伴っての年金額の改定でした。新規裁定者と既裁定者に分かれての年金改定は、2004年に現制度ができて初めての適用でした。

7 ジェンダー平等

2020年の早い段階から、コロナの影響により、企業の実績悪化から非正規の雇用削減が行われました。2020年7月から9月にかけて、正規の対前年度比の雇用減0.5%に対し、非正規の雇用減は6.7%になっています。非正規の7割が女性であることから、雇用減が女性に集中しました。
コロナによる外出制限に伴い、家庭内の家事・育児等の無償労働が集中する、女性に多くの負担をかけることになりました。突然の指示で始まった、多くの休校・休園にともない育児の時間が増え、小さな子どもを抱える女性の就業者数が減る結果になりました。2020年、男性の自死者は減る中、女性の自死者は15%もの大幅な増加でした。
2月4日、性的少数者「LGBT」や同性婚への差別発言があり、荒井首相秘書官が更迭されました。政府自身が性的少数者を自死のハイリスク層である(厚生労働省「自殺対策総合大綱」)としているにもかかわらず、政府の中枢から差別発言が出て、性的少数者を更に追い詰めています。「LGBT理解増進法案」をめぐっては、与党案、立憲民主・共産・社民の3党案、日本維新の会と国民民主党案の計3案が国会に提出されています。
女性差別撤廃条約は、1979年の第34回国連総会において採択され、1981年に発効しました。日本は1985年に締結しました。この条約の実効性を強化するために、1999年、「個人通報制度」と「調査制度」を盛り込んだ「女性差別撤廃条約選択議定書」が採択されましたが、日本はまだ批准していません。批准できれば、個人通報制度を利用して「男女差別賃金の是正」「選択的夫婦別姓の実現」にむけて、前進することができます。
国連サミットで採択されたSDGsの5番目の目標に「ジェンダー平等」が掲げられていて、「ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女児の能力強化を行う」こととするとなっています。しかし、日本の2022年のジェンダーギャップ指数は146か国中で116位です。
ジェンダーによる格差を解消するには性別役割分業やそれを支えている制度、そしてアイコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の見直しが必要です。またDVや虐待など、家庭が女性や子供にとって必ずしも安全な場所ではない現実を直視し、個人にとって公平で安全な社会に向けてジェンダー主流化を「予算を伴う政策」としての具体化が必要です。

8 組織

(1)2022年8月1日付の日退教の組織・会員は、2021年に比べて約1000人の減少になっています。2023年度から定年が延長され、2024年3月には定年で退職する人がいません。現職との交流をより緊密にして、現退一致しての組織拡大が必要です。既定年退職者の会員化のとりくみ等を組織活動交流集会で交流し、会員加入に努力していく必要があります。
(2)2022年7月に実施されました第26回参議院選挙において、古賀ちかげ日政連議員候補は現退一致した取り組みで、144,344票を獲得し、立憲民主党の全国比例第3位で見事当選を勝ち取りました。立憲野党が議席を減らす中、自公が改憲に必要な3分の2を確保しました。
現在、選挙の争点にしなかった「先制攻撃」「軍事費倍増」等が盛り込まれた「安保三文書」改定が閣議で決定されるなど、岸田政権のもと、独裁的政治が強行されています。
2023年4月の統一地方選挙において、日政連候補者は109人でした。現退一致のたたかいの結果、ほぼ全員の当選を勝ち取りました。しかし地方選挙全体を見れば低投票率に終わり、自民政権に打撃を与える情勢は作りえませんでした。

Ⅱ 具体的要求・当面の活動

1 憲法「改正」に反対し、平和・人権・環境が尊重される社会をつくります
具体的要求と活動

(1)憲法改悪阻止、立憲主義を取り戻すため、日教組・平和フォーラムとともに積極的にとりくみます。
各県・地域でとりくまれる「戦争をさせない1000人委員会」「総がかり行動」「さようなら原発1000万人アクション」の活動等に積極的に参加します。
「戦争法」「共謀罪」「特定秘密保護法」の廃止を求めます。
防衛費の大幅増に反対します。
(2) 普天間基地の即時運用停止、辺野古新基地建設阻止のために、沖縄両退教との連携をさらに強め、とりくみます。
日退教沖縄交流団を派遣します。単会やブロック単位で沖縄の状況を理解し連帯を強めるための学習会や現地行動参加にとりくみます。また、全国各地の米軍基地反対闘争・合同演習反対運動に積極的に参加します。
(3) 日米地位協定の問題を追及し、改定を求めてとりくみます。
(4)「台湾有事」等軍事的緊張を煽る日本政府の姿勢を厳しく批判し、朝鮮戦争の終結、平和協定締結、朝鮮半島の非核化、東アジアの平和的安定を求めとりくみます。
(5) 朝鮮学校への差別的扱いに反対し、朝鮮学校への補助金・助成金等の支給停止反対運動をすすめます。朝鮮学校生徒の「高校無償化」を支援します。ヘイトスピーチを許さず、東アジアをはじめとする諸国の人々と友好と連帯・交流を深めます。
(6) 狭山事件の再審開始を求めるとともに、えん罪根絶に向けた司法改革・再審法改正、部落差別をはじめあらゆる差別解消に向け、人権侵害救済制度の確立を平和フォーラム等とともに取り組みます
(7)「女性差別撤廃条約選択議定書」の早期批准を求めます。女性の経済的自立と意思決定の場における発言力を高めることが、日本のジェンダー平等を実現するために不可欠です。「政治分野における男女共同参画推進法」の趣旨に沿ったとりくみを地域ですすめます。さらに、「同一価値労働同一賃金」の実現を、女性の人権を国際的水準に引き上げる運動の要としてとりくみます。
(8) 立憲主義を取り戻し、当たり前に生きることのできる社会をつくるため、各種選挙での日政連・各単会推薦候補の必勝をめざしとりくみます。
2025年7月に実施される第27回参議院選挙には水岡俊一現参議院議員を推薦し、当選をめざします。各単会は、水岡俊一さんを推薦決定し、勝利するよう現退一致で取り組みます。

2 「教育改革」の危険性と民主教育を守るとりくみ
具体的要求と活動

(1) 憲法改悪反対のとりくみと連動し、復古的家族主義、国家主義的教育を許さないようとりくみます。
各地域で行われる県教組・高教組、関連団体の主催する学習会・集会に積極的に参加します。
(2) 政治による教育への不当な支配に反対します。国・地方議会における教育現場介入の動きを許さないよう議会監視にとりくみます。
(3) 国の定める「統一基準」による「検閲」検定に反対します。次期教科書採択にむけては、各地域における展示会への参加や学習会への参加にとりくみます。
(4) 貧困・格差を許さないため、教育の無償化へのとりくみを強化します。

3 原発再稼働を許さず、脱原発に向けたとりくみ

具体的要求と活動
(1) 脱原発社会実現のため、政府のGX(グリーントランスフォーメーション)に名を借りた原発建て替え、再稼働・新設・稼働延長に反対し、各地で行われる諸行動に積極的に参加します。
(2) 震災を受けた地域の復興がさらに長期間かかることを念頭に、被災者の万全な生活・居住対策を政府・自治体に要求します。1947年制定のままの災害救助法の見直しを求めます。
(3) 自然(再生可能)エネルギー普及のための法・制度の充実を求めていきます。
(4) 高速実験炉〚常陽」の速やかな廃止、「もんじゅ」の廃炉作業の安全性確保、全ての原発を停止するよう求めます。
(5) 各地の自然エネルギー利用のとりくみに協力します。廃炉費用、福島原発事故処理費用の原則事業者負担を求め、託送料に上乗せすることに反対します。
(6) 4野党共同で提出された「原発ゼロ基本法案」の国会での早期審議入りを求め運動します。
(7) 妊産婦、乳幼児・子どもなど若年者の被曝を防ぐ万全の対策を求めます。住民(避難民を含めて)の精密な医療検査と治療システムの確立を求めます。
(8) 「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」の運動に参加し、「1000万署名」の達成、各種集会等の成功をめざしてとりくみます。
(9) 「連合・東北子ども応援わんぱくプロジェクト」「子どもの人権連・助成事業」のとりくみに協力します。高校生平和大使などの若者による運動のとりくみに協力します。
(10) 福島学習の旅を企画します。

4 格差是正、社会保障の充実・発展、生活を守り、増税に反対するとりくみ
具体的要求と活動

(1)抜本的な物価高騰対策を求めます。低賃金労働者、低年金者、子育て世帯、生活保護世帯、勤労学生などへのきめ細かな現金給付を中心とした支援の実施を求めます。
(2)基礎年金はマクロ経済スライドの対象外とすることを求めます。短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、速やかにかつ抜本的に拡大すること、また国民年金保険料拠出期間延長(拠出期間を40年から45年に)を求めます。
(3) 介護保険の被保険者を医療保険加入者全体に拡大することの是非を検討します。ケアプランの有料化、「要介護1・2の総合事業移行」に反対します。 利用者負担原則1割維持を求めます。介護認定基準の見直し・改善を求めます。
(4) 公的皆保険制度を堅持させ、国民健康保険の財政基盤を確立し、低所得者に対する対策を講じて無保険者を発生させないことを求めます。医療を市場化する一部「混合診療」に反対します。
「75歳以上の医療費定率負担2割の所得基準切り下げ」「所得に加え金融資産等を算定基礎とした患者負担」に反対します。「医療・介護両制度の違いを無視した横並びの負担増・給付抑制」をやめることを求めます。保険証を廃止して『マイナ保険証』に一本化することに反対します。
(5) 高齢者虐待防止法の適正・的確な運用を求め、被介護者本人の意思を尊重する社会的介護をすすめる「介護共生社会」をめざして介護保険法改善要求を強めます。また、介護従事者の賃金改善を要求します。
医療・介護の切れ目のない地域包括ケアシステムを実体化するため、地域包括ケアの要である「地域包括支援センター」の機能と財政基盤の強化を求め地域密着型サービスを拡充することを求めてとりくみます。
(6) GPIF経営委員会の構成割合は労使代表を過半数とすることを求めます。
(7) 累進課税強化、金融所得課税是正を求め、消費税増税による、法人税減税肩代わりに反対します。金持ち優遇の軽減税率に反対します。「給付付き税額控除」の導入を求めます。

5 組織の拡大、強化のとりくみ

具体的要求と活動
(1) コロナ感染拡大に伴う厳しい状況下にあっても創意工夫に努め、親睦・交流・運動を通じて、退職者同士のつながりを強め、会員の孤立を防ぐよう努めます。現職組織との交流を重ね、組織拡大については現職の協力を得てすすめます。現職、再任用、退職者と切れ目のない組織化を追及します。
(2) 各単会は各現職組合に働きかけ退職者組織加入方針化を追求します。同時に共同行動を積み上げます。また、再任用者を退職者組織対象(現職組合との二重加盟も視野に)とするよう現職組合との協議をすすめます。
(3) すべての県に日退教組織を作り上げるよう日教組・各県単組と連帯してとりくみます。また、地方退職者連合組織未加盟単会は加盟を追求します。
(4) 毎年5月・6月を組織拡大月間としてとりくみます。8月1日現在の組織現況・実態を調査します。組織拡大のとりくみ、日退教・各単会の組織状況・実態については、10月の組織活動交流集会で交流します。
(5)定年延長に伴って困難になる組織拡大の取り組みについて交流します。
(6) 組織活動交流集会は、「組織」「平和」「教育・人権」「福祉・文化」を主題におこないます。すべてのブロックからのレポートの提出ができるようにとりくみます。女性参加者の拡大にとりくみます。
(7) 五者合同学習会を日教組、全国退女教、教職員共済生協、日本教職員相互共済会共催で実施します。
(8) ジェンダー平等の観点にもとづき、女性会員の拡大、運動の充実に努めます。各種活動・集会、意思決定機関・役員への女性参画を高めるよう努めます。退職者連合のジェンダー平等委員会の活動に積極的に参加します。研究・検討・学習・論議を含めた運動を通じて日教組退職者組織の一本化をめざします。
(9) 各単会との緊密な交流・連携体制を強めます。各単会の運動に連帯し、支えあいます。「日退教通信」は会員の交流の場としての機能をさらに強化充実します。年に1~2回は、全会員に配布します。日退教のホームページの活用を充実します。
(10) 日退教運動の拡がりと財政状況を踏まえ、組織・財政を見直します。引き続き、定期総会は隔年開催とし、定期総会を開催しない年は組織代表者会議を開催し、当面の活動を確認します。組織代表者会議の構成は各単会1(組織代表者)、ブロック女性代表者各ブロック1とします。
(11) 組織財政確立委員会(各ブロック代表者兼務)を引き続き設置し、将来の収入見直しに基づく組織運営、事務局体制の検討を行います。
(12) 23年度日退教闘争カンパにとりくみ、各種運動に活用します。
(13) 退職後の会員互助を充実するため、教職員共済生協、日本教職員相互共済会、退職教職員生きがい支援協会などの運営・運動に参加します。
(14) 平和憲法を守り、脱原発社会の実現、社会保障制度の確立を求め、日教組、退職者連合・地公退、平和フォーラムに結集し運動にとりくみます。

日退教第50回定期総会 スローガン

教え子を再び戦場に送るな

  • □ 期衆議院・参議院選挙に勝利し、改憲を阻止しよう。防衛費の増大に反対し、軍拡を許さずたたかおう。沖縄と連帯し、辺野古新基地建設をとめよう。日米地位協定の抜本的見直しをめざそう。
  • □ 東日本大震災・福島第一原発事故を風化させず、被災者・被害者の生活支援打ち切りに反対し、国・企業の責任を追及しよう。原発再稼働、新・増設、輸出に反対し、脱原発社会をめざそう。核兵器禁止条約の早期批准をめざしとりくもう。
  • □ 医療・介護・年金制度の改悪を許さず、社会保障制度の改善・充実を求めよう。格差社会の是正をめざしとりくもう。
  • □ セクハラ・パワハラを許さず、ジェンダー平等の社会、人権が尊重され、差別や偏見のない社会、子ども達の豊かな育ちを保障する社会をつくろう。
  • □ 各単会の運動に連帯し、支えあおう。会員の交流と親睦を深め、生きがい活動にとりくもう。東アジア各国との連帯・交流をすすめよう。組織拡大と財政確立、日教組退職者組織の統一をめざそう。

 

総会宣言

「岸田首相が『長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる』」とアメリカのタイム誌は紹介しました。
岸田政権は、防衛予算を倍増させ、先制攻撃を可能とする「安保三文書」を閣議決定し、今国会で関連法案の成立を強行しようとしています。中国に対しては、「わが国と国際社会の深刻な懸念事項」と挑発し、トマホークを導入するなど、米軍のシステム「統合防空ミサイル防衛」の傘下に入り、戦争する国づくりに邁進しています。
帰還困難地域がいまだ広範囲に残り、「原子力緊急事態宣言」が解除されない福島原発事故。この事故の教訓に学ばず、岸田政権は原発稼働上限を60年超えに延長、さらに再稼働、新・増設を「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」の名のもとにすすめようとしています。同時に、汚染水の外洋投棄をこれまた強行しようとしています。
沖縄では、県民の意思に背いて辺野古新基地建設を強行しています。空港・港湾の日米共同利用を可能とし、馬毛島・奄美大島から沖縄本島を経て先島までをミサイル基地化し、九州・沖縄を再び戦場とする危険に晒しています。
昨年10月から、後期高齢者医療費の窓口負担2割が導入され、さらに後期高齢者医療保険料増額も予定されています。今年4月の消費者物価指数は昨年同月に比べ3.5%上昇していて、実質賃金は3.0%減で13か月連続マイナスとなっています。4月から68歳以上の年金は1.9%引き上げられましたが、退職者の生活は一層厳しくなります。
改正マイナンバー法が成立しました。構造的な欠陥と不備を放置したまま健康保険証を廃止すれば、国民皆保険崩壊も懸念されます。マイナ保険証への一本化強行に反対します。
今年度から教職員の定年が延長されます。日退教にとって組織の拡大は喫緊の課題です。コロナ禍を経験して、「対面」での交流・親睦の大切さを学びました。仲間づくりをすすめます。

岸田政権がすすめる「戦争する国」づくりに反対し、憲法に基づく平和を守り抜きます。辺野古新基地建設に反対し、沖縄を再び戦場にすることを阻止します。原発再稼働、新・増設に反対し、脱原発を実現します。
医療・介護制度の改悪を許さず、社会保障制度の充実を実現していきます。
人権が尊重され、差別や偏見、格差のない社会、ジェンダー平等な社会、子どもたちの豊かな育ちを保障する社会を実現していきます。
私たちは今次総会で確認した活動方針に基づき、全力でとりくみます。

以上宣言します。

2023年6月9日
日本退職教職員協議会 第50回定期総会

 

2021・22年度活動方針(2021年6月11日第49回定期総会)

Ⅰ 特徴的な情勢

1 収束しないコロナ禍

2021年4月16日、世界の新型コロナウイルスに感染者は1億4835万人になり、死者は313万人を超えました。昨年5月7日での感染者375万人、死者は26万3800人に比して感染者は40倍、死者は12倍になりました。ワクチンの接種が始まりましたが、世界的な感染の勢いは止まりません。
日本では、2020年の12月から第3波の感染拡大が起きて、東京では1月7日に1日の感染者が2520人に達しました。4都府県に三度の緊急事態宣言が発せられている2021年4月27日現在、感染者57万6千人、死者1万人を超えました。

ワクチン接種の動きは鈍く、医療従事者450万人に必要な900万回の接種に対しわずか200万回の接種(5月10日現在)にとどまり、高齢者への接種は政府の言う計画通りに進むか危惧されます。動き出す人々が徐々に増え、行動範囲がひろがるなかで、変異型コロナウイルスの強い感染力が働くことから、今後、爆発的な感染者増が予想されます。
新型コロナウイルスの感染は、収拾まで今後2年ほどかかるとWHOは予想しています。

新型コロナウイルスは、あらゆる分野で禍をもたらしました。特に、経済面に大きな打撃を与えました。2020年の世界のGDPは5.2%縮小するとみられ、戦後最大の落ち込みになると世界銀行は予想しています。

日本のGDPは、2020年は通年で4.8%減となり、リーマンショック以来11年ぶりのマイナス成長となりました。1人当たりの今年1月の給与総額が平均で27万2000円余りと前年同月より0.8%減少し、10か月連続でマイナスとなりました。

1月の労働力調査では完全失業者は197万人、完全失業率は2.9%と発表されています。野村総研の調査で、コロナ禍によるパート・アルバイトの「実質的失業者」は女性で103.1万人、男性で43.4万人いることが明らかになりました。女性の失業者は完全失業率が2.6%とありますが、パート・アルバイトの失業者を加えると失業率は6%に上るというのが実態です。

2020年の自死者は2019年より750人多い2万919人に上りました。男性は前年比135人減に対し、女性は885人増えて6976人と発表されています。自死はその多くが追い込まれた末の死であり、防ぐことができる社会的な問題です。コロナ禍のもと、多くの女性が厳しい状況に追い込まれている実態が浮かび上がっています。
「コロナ禍」は自然の脅威によるとともに政治の不作為による「政治禍」でもあります。

2 安倍政治を引き継ぐ菅政権

2020年8月28日、安倍晋三首相が辞任を表明しました。2007年と同じく、潰瘍性大腸炎を理由としての再度の政権放り出しですが、前回とは異なり、「病気状態」を醸し出す演出を行っての辞任劇でした。内実は、「モリ・カケ」「桜を見る会」等での嘘の塗り重ねが明白になり、「公職選挙法違犯」「政治資金規正法違反」容疑が問われ、「アベノマスク」「PCR検査」「Go To トラベルの前倒し実施」等にみられるコロナ対策の失敗の挙句の政権の投擲・逃亡であることは言うまでもありません。

また、安倍政権により、2013年12月の「特定秘密保護法」、2014年7月の「集団的自衛権を容認するための憲法9条の解釈変更」、それを具体化する2015年9月の「安保関連法」、2017年6月の「共謀罪」など、国民を監視して戦争のできる国にするための悪法の数々が強行採決や閣議決定されてきました。
この安倍政治を継承するとして、9月16日に菅政権が発足しました。菅首相は目指す社会像として「自助・共助・公助」を掲げています。コロナ禍で「まず自助」を打ち出したところに、「弱者」の生活の厳しさが理解できない彼の「資質」が明らかになりました。

その後、菅首相の長男が所属する総合映像プロダクション東北新社の不当放送業務認定をめぐり、総務省高官と民間の部長職が参加する、ありえない接待が露見しました。安倍政権同様、首相周辺にいる仲間や近親者への利益誘導型政治が行われている実態が浮き彫りになりました。安倍政権によって「ズタズタにされた公正・公平」は、そのまま菅政権に引き継がれています。

菅政権は、2050年に向けて「カーボンニュートラル」を目指すとしています。これを受けて、自民党内で脱炭素社会実現には原子力発電が必要と訴える議員連盟が4月12日に設立総会を開きました。今夏にも策定される次期エネルギー基本計画に、原発の新増設やリプレース(建て替え)推進を明記するよう政府に求める考えを示しています。
政府は森友学園に国有地を8割値引きの「改ざん」にかかわる「赤木ファイル」を一部黒塗りにしたうえで係争中の大阪地裁に提出するとしました。私たちは「僕の契約相手は国民です」と死の抗議をした赤木さんの遺書の黒塗りを決して許さず、妻の人間の尊厳をかけた、権力の不正を暴く闘いを共に進めることが重要です。

菅政権にとって最初の国政選挙となった、参議院広島・長野選挙区、衆議院北海道2区の補欠選挙の衆参3つの選挙(4月25日)は、立憲民主党を中心にした統一候補が勝利しました。また、コロナ禍の中、地方自治体選挙において、自民党候補の落選が目立ち、代わって、女性や新人の当選が伸びてきています。投票率も上がる傾向にあって、長年の自民党一党支配に対抗する動きが出てきています。

「核兵器禁止条約に賛同していますか?」なぜ核廃絶が進まないか疑問を持ち、広島県の若い人たちが国会議員に対して手紙を出し、インタビュウーする活動や、核兵器廃絶に向けて平和を願う広島・長崎をはじめとする日本の市民の声を世界に届ける高校生平和大使活動等、核兵器禁止条約批准をきっかけに活動が活発になってきています。
スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが訴えに応える活動・気候変動に対して積極的な対策を求める若者を中心とした活動が日本でも広まっています。

3 脱原発へ動く民意

福島県では、震災と原発事故による避難生活などで死亡する「震災関連死」と認定された人の数は、1月8日までに2316人にのぼっていて、津波などによる直接死の1606人を大きく上回っています。その数は、宮城県、岩手県に比べて圧倒的に多く、放射能汚染により、転居を強いられ、長期にわたる過酷な避難生活を余儀なくされる悲惨な原発事故の一端が示されています。

2021年2月13日に発生した福島県沖地震によって、福島第一原発では、核燃料がメルトダウンしている格納容器の水位の低下、汚染水を貯蔵するタンクの位置がずれて汚染水が漏れる危険性がある「事故現場」であることが判明しました。

福島原発の廃炉計画はデブリ取り出し後を起点として、100年計画で進められようとしています。しかし、そのデブリの取り出しのめどが全く立っておらず、今世紀での廃炉は無理であることが露呈しました。

4月13日、菅政権は東京電力福島第一原発に蓄積された、125万トン以上の放射能汚染水を海洋放出することを閣議決定しました。2023年から実行されれば、総量856兆ベクレルの放射能を持つ200トンにも及ぶ放射性物質トリチウムが今後30年から40年にわたり、太平洋に放出されることを意味します。
「核のごみ」(高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定を巡る動きの中で、北海道の寿都町と神恵内村が国の選定プロセスの第一段階である「文献調査」に応募しました。当初は2.1億円、上限は4.2億円だった「文献調査地区」に交付される「電源立地地域対策交付金」が1年あたり10億円、調査期間を2年間として20億円を限度に引き上げられ、2020年度末までに「文献調査」が開始される場合の特例が設けられました。この「調査」は、処分地選定の次の段階である「概要調査地区」(「処分候補地」)に進ませるための地元工作が主な目的です。「概要調査地区」からさらに「精密調査地区」に進みますが、その間に、「調査地区」から抜けられるかというと、誠心誠意の対応というあらゆる工作が行われ、最終処分場決定まで持ち込まれる危険性は極めて大きいといえます。

こうした中で、仙台高裁、東京高裁で原発事故の国の責任を認める判決、水戸地裁で、東海第二原発再稼働を認めない判決が出ました。
昨年9月30日、重大事故を起こした福島第一原発事故の事故責任について、避難者の集団訴訟で仙台高裁は、国は当事者であり、義務として被災者救済をしなければならないと国の責任を認める判決を出しました。
2月19日、福島第一原発事故後に福島県から避難した住民が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、東京高裁は、国の賠償責任を認めなかった一審判決を変更し、国と東電双方の責任を認め、東電に約2億7800万円、うち国に約1億3500万円を連帯して支払うよう命じました。

水戸地裁は、今年3月18日に東海第二原発の再稼働を認めない判決を出しました。原発の30キロ圏内の住民が94万人いることをあげて、「避難計画を策定しているのは住民が比較的少ない5つの自治体にとどまっていて、人口の多い水戸市などは策定できていない」と指摘しました。そのうえで「策定された計画でも、地震などの自然災害による住宅や道路の被害も想定した、複数の避難経路を設定しておらず、実現可能な避難計画や実行できる体制が整えられていると言うにはほど遠い状態だ」として、日本原電に再稼働を認めない判決を言い渡しました。

一方で、広島高裁は3月18日に伊方原発3号機の運転差し止めを命じた2020年1月の広島高裁の仮処分決定を不服とした異議審で、異議を認め、運転を認める決定をしました。
4月14日には、原子力規制委員会は柏崎刈羽原発について、テロ対策不備が原因で「運転禁止」を命じました。

4 辺野古新基地建設反対

昨年11月30日に、72名の米軍関係者に新型コロナウイルスの感染者が出ていることが明らかになりました。日米地位協定があるために、米軍関係者は検疫を受ける義務がなく自由に日本国内に入ってくることができます。米軍は日本に対し公式のフェイスブックで伝えるのみで、感染者の年齢、性別、居住地、行動等が一切明らかにされていません。
4月12日、沖縄の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還が日米両政府によって合意されて25年を迎えました。原点の危険性の除去はまったく実現していません。

イージスアショアへの対応とは全く異なり、政府は、沖縄県議選が終了した 5日後の昨年 6 月 12 日から辺野古新基地建設工事を再開しました。
コロナ禍の中、キャンプ・シュワブの工事ゲートに、連日200台を超えるダンプ等大型車両が工事用資材の搬入を強行しています。抗議する市民がゲートに押しかけ、その行動を規制しようとする県警機動隊、防衛局雇用の警備員またそれを指揮する防衛局職員など毎日数百人が工事用ゲートに集まります。コロナ感染拡大を防ぐために、即座に工事の中止を決定し、「不要不急」の集まりを解消すべきです。しかし、政権は今も「辺野古新基地建設は米国との公約。粛々と進めさせてもらう」と命を軽んじ、工事を強行しています。

工事再開に抗議するオール沖縄会議は、座り込む仲間たちの「命」を第一に考え、間隔を2メートルあけ、機動隊員との接触を避けるため機動隊員の行動を見ながら自主的に立ち上がり歩道に移動しています。
新たに米軍のために新基地建設を計画し、安倍政権下の2018年12月から名護市辺野古で、埋め立て工事が始まりました。建設地の海域東側には工事が不可能な、海面下90メートルまで達する軟弱地盤があります。

軟弱地盤の改良工事のため、昨年4月、防衛省は県に設計変更を申請、その中で土砂の調達先として本島南部の糸満市や八重瀬町を追加しました。沖縄本島南部は沖縄戦の激戦地で今も手付かずの遺骨が多く眠っています。遺骨になった犠牲者には沖縄県民だけではなく、日本兵も米兵も、朝鮮半島の人々もいます。遺骨がまじった土砂で米軍基地をつくるのは犠牲者への冒涜と批判が生じ、3月22日時点で名護市、西原町、南風原町、宜野座村、恩納村、北中城村、中城村等が土砂を埋め立てに使用しないよう国に求める意見書を採択しています。

5 社会保障

政府は、75歳以上の人が医療機関を受診した際に支払う窓口負担割合を、所得によって1割から2割へ引き上げる方針を決めました。開会中の通常国会で関連法案が審議されています(5月7日、衆議院厚生委員会で強行採決しました)。医療機関を利用する高齢者にとっては家計の負担が増します。
医療費負担の引き上げは、人口の多い団塊の世代が2022年度以降に後期高齢者となる中、現役世代の保険料負担を抑えるのが目的と強調していますが、厚労省の試算では、後期高齢者支援金 (現役世代の負担軽減)マイナス740億円、後期高齢者保険料 (高齢者の負担軽減)マイナス190億円、公費マイナス1,010億円となっており、公費負担の軽減が大きな数字となっています。さらに、衆議院の審議の中では「受診抑制による効果」が約900億円、都合公費財源としては約1900億円の増収となることが明らかとなりました。
政府は22年度後半の施行を目指していますが、「施行に当たっては、長期頻回受診患者等への配慮措置として、2割負担への変更により影響が大きい外来患者について、施行後3年間、1月分の負担増を、最大でも3,000 円に収まるような措置を導入する」としています。
75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の負担割合は現在、課税所得145万円以上で年収383万円以上(75歳以上が複数いる世帯は520万円以上)が3割で、それ以外は1割となっています。
今回の改正案で新設の2割負担となるのは、課税所得が28万円以上あること、「年金収入とその他の合計所得金額」が75歳以上1人の世帯で200万円以上、複数いる世帯では320万円以上あること、のいずれも(両方とも)満たすケースです。

6 ジェンダー平等

2月3日のJOC臨時評議会で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」「私ども組織委員会にも、女性は7人いますが、みんなわきまえておられます」と女性蔑視の発言がありました。
日退教・ジェンダー平等委員会は「森会長の発言に抗議し、辞任を求めます」の抗議文を東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と日本オリンピック委員会に送付しました。
森会長の発言は女性の理事会等方針決定の場に女性を参加させない排除の論理であり、序列社会で忖度が優先され、権力にモノが言えない状況を「是」とするものです。
コロナ感染拡大禍は、経済的に女性に大きな打撃を与えました。そして、昨年2月27日の突然の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校に対する「休校要請」は、母親の離職要因となり、シングルマザーは、更に生活困窮に陥りました。また、ケア労働の家庭依存が強まり、女性はさらなる負担が増えました。
また特別定額給付金が世帯主への一括給付であるために、DVや虐待被害者に、ギャンブル依存の夫のいる家庭では妻や子供に、ホームレスやネットカフェで暮らす人たちには給付金が届きませんでした。

2020年12月、閣議決定が行われ、内閣府から「第5次男女共同参画基本計画」が出されました。日退教は「パブコメ」で意見を具申してきました。意見が届いたものもある中で、指導的地位に占める女性の割合「2020年に30%」を達成できず先送りし、「選択的夫婦別姓」の文言を削除し「検討」としました。「選択的夫婦別姓」は自民党の一部の反対意見により、検討を継続することになりました。
2020ジェンダーギャップでは、政治の分野は153か国中144位、経済は115位です。こうした中で、日退教はジェンダー平等を実現するために組織の在り方、運動の内容などを見直してきました。各県・高退教組織では構成する役員会に複数の女性参画が実現し、また定期総会に代わる「日退教全国組織代表者会議」(書面開催)に「ブロック女性代表者」を加え、方針議論・決定の場により多くの女性が参加する体制をとることとしました。各単会の活動方針にもジェンダー平等方針が掲げられ、議論も活発になってきています。

コロナ感染拡大で明らかになったジェンダーによる格差を解消するには性別役割分業やそれを支えている制度、そしてアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の見直しが必要です。またDVや 虐待など、家庭が女性や子どもにとって必ずしも安全な場所ではない現実を直視し、個人にとって 公平で安全な社会に向けてジェンダー主流化を進めていく必要があります。

Ⅱ 具体的要求・当面の活動

1 憲法改正に反対し、平和・人権・環境が尊重される社会をつくります

具体的要求と活動

(1)憲法改悪阻止、立憲主義を取り戻すため、日教組・平和フォーラムとともに積極的にとりくみます。

各県・地域でとりくまれる「戦争をさせない1000人委員会」「総がかり行動」「さようなら原発1000万人アクション」の活動等に積極的に参加します。

「戦争法」「共謀罪」「特定秘密保護法」の廃止を求めとりくみます。

(2) 普天間基地の即時運用停止、辺野古新基地建設阻止のために、沖縄両退教との連携をさらに強め、とりくみます。

日退教沖縄交流団を派遣します。単会やブロック単位で沖縄の状況を理解し連帯を強めるための学習会や現地行動参加にとりくみます。また、全国各地の米軍基地反対闘争・合同演習反対運動に積極的に参加します。

(3) 日米地位協定の問題を追及し、改定を求めてとりくみます。

(4) 軍事的緊張を煽る日本政府の姿勢を厳しく批判し、南北首脳会談の継続・成功、そして朝鮮戦争の終結、平和協定締結、朝鮮半島の非核化、東アジアの平和的安定を求めとりくみます。

(5) 朝鮮学校への補助金・助成金等の支給停止反対運動をすすめます。朝鮮学校生徒の「高校無償化差別」裁判闘争を支援します。ヘイトスピーチを許さず、東アジアをはじめとする諸国の人々と友好と連帯・交流を深めます。

(6) 女性の経済的自立と意思決定の場における発言力を高めることが、日本のジェンダー平等を実現するために不可欠です。「政治分野における男女共同参画推進法」の趣旨に沿ったとりくみを地域ですすめます。さらに、「同一価値労働同一賃金」の実現は女性の人権を国際的水準に引き上げる運動の要としてとりくみます。

(7) 立憲主義を取り戻し、当たり前に生きることのできる社会をつくるため、本年秋までに行われる衆議院選挙では、日政連・各単会推薦候補の必勝をめざしとりくみます。来年夏の参議院選挙では日政連候補(愛知・斎藤よしたか、比例・古賀ちかげ)を日退教推薦候補として必勝を期し、とりくみます。各単会は「古賀ちかげ」さんの推薦決定、きめ細かな情宣にとりくみます。

2 「教育改革」の危険性と民主教育を守るとりくみ

具体的要求と活動

(1)憲法改悪反対のとりくみと連動し、復古的家族主義、国家主義的教育を許さないようとりくみます。

教育再生実行会議のすすめる教育・教職員に対する管理統制の強化、新自由主義政策に反対し、日教組とともに運動をすすめます。
各地域で行われる県教組・高教組、関連団体の主催する学習会・集会に積極的に参加します。

(2) 政治による教育への不当な支配に反対します。国・地方議会における教育現場介入の動きを許さないよう議会監視にとりくみます。

(3) 国の定める「統一基準」による「検閲」検定に反対します。次期教科書採択にむけては、各地域における展示会への参加や学習会への参加にとりくみます。

(4) 貧困・格差を許さないため、教育の無償化へのとりくみを強化します。

(5)朝鮮学校への差別的扱いに反対し、生徒の裁判闘争を支援します。

3 原発再稼働を許さず、脱原発に向けたとりくみ

具体的要求と活動

(1)震災を受けた地域の復興がさらに長期間かかることを念頭に、被災者の万全な生活・居住対策を政府・自治体に要求します。1947年制定のままの災害救助法の見直しを求めます。

(2) 政府の「エネルギー基本計画」に反対し、「脱原発社会をめざす」ことを明確にし、「復興計画」は住民・生活重視とするようとりくみます。

(3) 脱原発社会実現のため、原発再稼働を許さず、原発輸出に反対し、各地で行われる諸行動に積極的に参加します。自然(再生可能)エネルギー普及のための法・制度の充実を求めていきます。また、温暖化防止を名目とする原発推進に強く反対します。

(4) 高速増殖炉「常陽」の速やかな廃止、「もんじゅ」の廃炉作業の安全性確保、全ての原発を停止するよう求めます。

(5) 各地の自然エネルギー利用のとりくみに協力します。廃炉費用、福島原発事故処理費用の原則事業者負担を求め、託送料に上乗せすることに反対します。

(6) 4野党共同で提出された「原発ゼロ基本法案」の国会での早期審議入りを求め運動します。

(7) 妊産婦、乳幼児・子どもなど若年者の被曝を防ぐ万全の対策を求めます。住民(避難民を含めて)の精密な医療検査と治療システムの確立を求めます。

(8) 「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」の運動に参加し、「1000万署名」の達成、各種集会等の成功をめざしてとりくみます。

(9) 「連合・東北子ども応援わんぱくプロジェクト」「子どもの人権連・助成事業」のとりくみに協力します。高校生平和大使などの若者による運動のとりくみに協力します。

(10) 第5回「福島学習の旅」実施を検討します。

 

4 格差是正、社会保障の充実・発展、生活を守り、増税に反対するとりくみ

具体的要求と活動

(1)賃金の引き下げ、生活保護費の引き下げに反対します。さらなる労働法制規制緩和に反対します。社会保障の基盤である雇用の拡充を求めます。

(2) 既裁定年金の削減、デフレ下のマクロ経済スライド方式フル導入については、世代間再配分の視点から検討します。基礎年金はマクロ経済スライドの対象外とすることを求めます。短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、速やかにかつ抜本的に拡大すること、また基礎年金拠出期間延長・在職老齢年金の適用改善を検討することを求めます。

(3) 介護保険の被保険者を医療保険加入者全体に拡大することの是非を検討します。

(4) 公的皆保険制度を堅持させ、国民健康保険の財政基盤を確立し、低所得者に対する対策を講じて無保険者を発生させないことを求めます。医療を市場化する一部「混合診療」に反対します。
「75歳以上の医療費定率負担2割化」「所得に加え金融資産等を算定基礎とした患者負担」に反対します。「医療・介護両制度の違いを無視した横並びの負担増・給付抑制」をやめることを求めます。

(5) 高齢者虐待防止法の適正・的確な運用を求め、被介護者本人の意思を尊重する社会的介護をすすめる「介護共生社会」をめざして介護保険法改善要求を強めます。また、介護従事者の賃金改善を要求します。
医療・介護の切れ目のない地域包括ケアシステムを実体化するため、地域包括ケアの要である「地域包括支援センター」の機能と財政基盤の強化を求め地域密着型サービスを拡充することを求めてとりくみます。要介護1・2の制度改悪に反対します。

(6) 公的年金積立金は、専ら被保険者の利益のために運用すること、GPIF経営委員会の構成割合は労使代表を過半数とすることを求めます。

(7) 累進課税強化、金融所得課税是正を求め、消費税増税による、法人税減税肩代わりに反対します。金持ち優遇の軽減税率に反対します。「給付付き税額控除」の導入を求めます。

(8) マイナンバー制度(「社会保障・税番号」制度)については、厳格な個人情報保護下での運用をもとめ、活用拡大に反対します。管理・監視社会への道を歩まぬよう注視してとりくみます。

(9) 認知症・成年後見人についてとりくみの具体化を追求します。認知症対策基本法の制定と社会的損賠制度の創設を求めます。

(10) 交通政策基本法の趣旨を踏まえ、高齢者や障害者の生活に必要な移動手段確保を社会保障の一環に位置付け、地域公共交通を充実・整備することを求めます。

(11) 社会保障制度の充実・改善をもとめ退職者連合・地公退と共にとりくみをすすめます。

 

5 組織の拡大、強化のとりくみ

具体的要求と活動

(1)コロナ感染拡大に伴う厳しい状況下にあっても創意工夫に努め、親睦・交流・運動を通じて、退職者同士のつながりを強め、会員の孤立を防ぐよう努めます。現職組織との交流を重ね、組織拡大については現職の協力を得てすすめます。現職、再任用、退職者と切れ目のない組織化を追及します。

(2) 各単会は各現職組合に働きかけ退職者組織加入方針化を追求します。同時に共同行動を積み上げます。また、再任用者を退職者組織対象(現職組合との二重加盟も視野に)とするよう現職組合との協議をすすめます。

(3) すべての県に日退教組織を作り上げるよう日教組・各県単組と連帯してとりくみます。また、地方退職者連合組織未加盟単会は加盟を追求します。

(4) 毎年5月・6月を組織拡大月間としてとりくみます。8月1日現在の組織現況・実態を調査します。組織拡大のとりくみ、日退教・各単会の組織状況・実態については、10月の組織活動交流集会で交流します。

(5) 組織活動交流集会は、「組織」「平和」「教育・人権」「福祉・文化」を主題におこないます。すべてのブロックからのレポートの提出ができるようにとりくみます。女性参加者の拡大にとりくみます。

(6) 五者合同学習会を日教組、全国退女教、教職員共済生協、日本教職員相互共済会共催で実施します。

(7) ジェンダー平等の観点にもとづき、女性会員の拡大、運動の充実に努めます。各種活動・集会、意思決定機関・役員への女性参画を高めるよう努めます。退職者連合の男女平等参画推進委員会の活動に積極的に参加します。研究・検討・学習・論議を含めた運動を通じて日教組退職者組織の一本化をめざします。

(8) 各単会との緊密な交流・連携体制を強めます。各単会の運動に連帯し、支えあいます。「日退教通信」は会員の交流の場としての機能をさらに強化充実します。年にⅠ~2回は、全会員に配布します。日退教のホームページの活用を充実します。

(9) 日退教運動の拡がりと財政状況を踏まえ、組織・財政を見直します。引き続き、定期総会は隔年開催とし、定期総会を開催しない年は組織代表者会議を開催し、当面の活動を確認します。組織代表者会議の構成は各単会1(組織代表者)、ブロック女性代表者各ブロック1とします(会則を改定します。別号議案提案)。

(10) 組織財政確立委員会(各ブロック代表者兼務)を引き続き設置し、将来の収入見直しに基づく、組織運営、事務局体制の検討を行います。

(11) 21年度日退教闘争カンパにとりくみます。集約されたカンパは各種運動・運営に活用します。

(12) 退職後の会員互助を充実するため、教職員共済生協、日本教職員相互共済会、退職教職員生きがい支援協会などの運営・運動に参加します。

(13) 平和憲法を守り、脱原発社会の実現、社会保障制度の確立を求め、日教組、退職者連合・地公退、平和フォーラムに結集し運動にとりくみます。

 

 

2019・20年度活動方針

2019年6月7日 第48回定期

総会

今期定期総会において、「定期総会を隔年開催とする。定期総会を開催しない年度には組織代表者会議を開催する。」「組織代表者会議は、各単会1名、ブロック女性代表1名で構成する」ことも決定しました。来年度は組織代表者会議を開催します。

2018年度経過報告と2019・20年度活動方針

 

はじめに

特徴的な情勢

1 森友・加計問題のような安倍政権の政治の私物化があきらかになっても、現役副大臣が「私が忖度した」と断言しても、政府統計の不正まで表沙汰になっても、なぜか政権への怒りが湧き起こらない社会──。

憲法記念日の5月3日、改憲団体「日本会議」系の「公開憲法フォーラム」で、安倍晋三首相が「『令和への改元』を機に、改憲議論をすすめるべきだ」と訴えました。安倍首相は、2年前、同集会へのメッセージで、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と述べたことについて、「今もその気持ちに変わりはありません」と述べ、9条への自衛隊明記も「違憲論争に終止符を打つ。私は先頭に立って責任をしっかりと果たしていく」と語り、改憲の先導役を担う考えを強く示しました。

夏に実施される参議院選挙は「改憲」が主要争点となります。衆議院同時選挙も想定されます。私たち日退教は、日政連候補「みずおか俊一」の必勝に全力でとりくみます。この選挙を通して、改憲阻止、安倍政権打倒の展望をつくり出さなくてはなりません。

 

2 安倍政権はエジプトのシナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦を監視する多国籍監視軍(MFO)の司令部に、陸上自衛隊の幹部自衛官2人を派遣する計画を閣議決定しました。3年前に施行された安全保障関連法で新たに認められた「国際連携平和安全活動」の初めてのケースになります。国連平和維持活動(PKO)でなくても、国際的な枠組みで行われる類似の活動に自衛隊も参加できるようにしたものです。いま、日本のPKO参加は、南スーダンに残してきた司令部要員4人だけで、「積極的平和主義」を掲げる安倍政権は新たな派遣先を探していました。このシナイ派遣には、安保法の新任務や自衛隊の海外活動の実績づくりという狙いがあります。

 

3 19年3月8日の国際女性デーを機に、日本の女性議員比率の低さが報じられました。世界193カ国中165位です。政界だけではありません。経団連の正副会長19人は全員男性です。世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2018年版が昨年12月18日に発表されました。調査対象となった149カ国のうち、日本は110位でした。過去最低を更新した2017年(114位)より日本は4ランク浮上したものの、依然、G7で最下位となっています。日本が低い順位にとどまっている主な理由は、経済と政治の分野が著しく低く、いずれも100位以下となっているからです。順位を停滞させる大きな要因のひとつとなっているのは、女性の政治参加がすすまないことです。意思決定の場に女性が増えていけば、これまで当然とされてきたさまざま仕組みを変えていくことにつながります。

 

4 児童虐待のニュースが続きます。昨年3月、東京都目黒区で虐待を受けたとされる5歳の女児が死亡しました。この子が残したメモは衝撃的なものでした。事件を受け、東京都の小池知事は6月、都内の児童相談所の体制強化を指示しました。都内11ヵ所にある児童相談所の児童福祉司、児童心理司や一時保護所の職員の人数を増やし体制を強化する、また、東京都が警視庁と共有する虐待情報の範囲を広げる方向で、連携を強化するとの方針を示しました。しかし、行政の目も手も入らない死角で、虐待は深刻化し、死に至る悲劇を生んでいます。

児童虐待が行われる家庭の状況として調査がされました。虐待が行われる原因は貧困です。子どもに満足な食事を与えることができずネグレクトの状態に落ちいり「社会」とのつながりが欠如します。「本当に困った時に至る一歩手前で相談できる」という社会的システムが作られていれば、違う事態になっていたかもしれません。

 

5 2月24日、名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が投開票されました。その結果、投票資格者の過半数を超える投票によって、新基地建設反対72%、賛成19%どちらでもない9%の結果となり、新基地建設に対する県民の圧倒的反対という意思が示されることとなりました。

しかし、安倍首相は翌25日、「今回の県民投票の結果を真摯に受け止め」るものの、「日米が普天間基地の全面返還に合意してから20年以上、実現されていない。これ以上先送りすることはできない。これまでも長年にわたって県民と対話を重ねてきたが、これからもご理解をいただけるよう全力で県民との対話を続けていきたい」と述べ、工事中止に触れることはありませんでした。「県民に寄り添う、県民との対話」を言いながら、テント前で座り込んでいる抗議する市民を、警察権力を使って、暴力的にゴボウ抜きし、違法工事を強行しています。沖縄にとどまらない運動の拡大がまだまだ必要です。

 

6 日立製作所がイギリスでの原発新設計画を凍結すると発表しました。これによって安倍政権が「成長戦略の目玉」に掲げた原発輸出案件は全て頓挫しました。東芝は海外の原発事業から撤退し、三菱重工業はトルコの原発新設を断念する方向です。日本のメーカーが輸出に力を入れてきたのは、2011年3月11日の東京電力福島第1原発事故を受け、国内で原発の新設が見込めなくなったことが要因です。国内で造れそうにないから海外に売り込むという発想は「虫が良すぎ」ます。

政府は、4月10日、福島県大熊町の避難指示について、放射線量の高い帰還困難区域を除いた地域の避難指示を解除しました。第一原発立地自治体の避難指示解除は初めてです。大熊町は町民約1万人が避難していますが、町内の居住地域の多くは今回の解除対象ではなく、大半の人々の避難生活は続きます。オリンピックを前に、いまだにデプリが発見されていない状況を糊塗するために、ことさら「安全性」を強調する姿勢は許せません

 

7 日本の賃金水準は依然として低くが世界で大きく取り残されています。ここ数年は一律のベースアップが若干復活しているとはいえ、過去20年間の時給をみると日本は9%減り、主要国で唯一のマイナスです(OECD調べ)。国際競争力の維持を理由に賃金を抑えてきたため、欧米にくらべ遅れてきました。日本の富裕層と労働者の格差はますます大きくなっています。「低賃金を温存するから生産性の低い仕事の効率化が進まない。付加価値の高い仕事への転換も遅れ、賃金が上がらない」「貧者のサイクル」を抜け出せないでいます。非正規の平均年収172万円では自立は不可能です。

 

8 「(高齢者に)『最後の一ヶ月間の延命治療はやめませんか?』と提案すればいい」「超高齢社会で安楽死や延命治療の議論は避けては通れないはず」「終末期医療の延命治療を保険適用外にするだけで話が終わるような気もする」 若手論客として注目される、落合陽一、古市憲寿さんの「文學界」1月号での対談での発言は、多くの批判を浴び、落合さんは一部内容を撤回するなどしました。高額医療費が医療保険や財政を破綻させるという主張は1950年代から繰り返されています。また終末期医療が医療費を圧迫するという言説も、繰り返されています。いずれも、恣意的なデータの解釈がなされていたり、そのようなデータを示した実証研究はないとされていますが、今後もこのようなデマに惑わされずに、議論を進めることが重要です。「生きていることは素晴らしいこと」ということを明確にして、安倍政権の「高齢化の克服」に対峙しなければなりません。

「超高齢社会」にあって、社会保障を誰がどう支えるのか、議論の進行に注視が必要です。

 

Ⅰ 活動の基調

 「貧困」と「孤立」の社会を変えるために、退職者のつながりを拡大し、連携・連帯して運動にとりくみます。

 安倍政権の「改憲」・「戦争をする国づくり」路線に反対し、戦争法(安全保障関連法)・特定秘密保護法の廃止・発動阻止にむけとりくみます。「平和フォーラム」「戦争をさせない1000人委員会」、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の活動に積極的に参加します。

3 立憲主義を取り戻し、当たり前に生きることのできる社会をつくるため、本年7月の参議院選挙、予想される衆議院選挙では、日政連候補、各単会推薦候補の必勝をめざしとりくみます。

4 辺野古新基地建設に反対し、普天間基地の即時閉鎖・返還をめざして沖縄と連帯し、とりくみをすすめます。日米地位協定の抜本改定を求めて運動します。

 「戦争をする国づくり」の「教育改革」に反対し、教育への不当な支配・介入を許さず、民主

教育の確立を追求する日教組教育運動に地域でともにとりくみ、支援します。

 東日本大震災・熊本地震など多発する自然災害の「被災者」、原発震災の「被災・被害者」へ継続した生活保障などを行わせるようとりくみます。

原発再稼働・輸出に反対し、安心して暮らせる脱原発社会をめざしてとりくみます。「核兵器廃絶1000万署名」(連合・原水禁・KAKUKIN)にとりくみます。自然(再生可能)エネルギー普及のための法・制度の充実を求めます。

 ジェンダー平等のとりくみを積極的にすすめます。各種活動・意思決定機関における女性参画を高めるよう努めます。

8 アベノミクスの破綻を認識し、TPP11(環太平洋経済連携協定)・アメリカとのFTA(自由貿易協定)を許さず、高齢者・労働者の生活を守る運動を強化します。雇用の確保と賃上げによる格差社会の是正を求めます。

 退職者連合・地公退とともに社会保障制度・政策の要求実現をめざし運動にとりくみます。単身・高齢者のみの世帯が増加する動向を踏まえ、「必要なサービスが必要な時」に利用できるよう制度基盤を整備することを求めます。

10 各単会は、憲法・平和・沖縄・原発・社会保障・ジェンダー平等などの課題をテーマに積極的に学習の機会を設定し、運動の前進をはかります。会員の親睦・交流を深め、組織の拡大・強化にとりくみます。日退教運動を通じて、日教組退職者組織の一本化をめざします。

11 部会活動を充実させ、単会・会員への情報提供に努めます。

12 会員一人ひとりが誰でも参加できるメディア(新聞・テレビ・ラジオ)・政党・政治家などへの投稿(手紙・メールなど)にとりくみます。(肯定・否定あわせて)

13 現職との交流を強め、活動は現退一致でのとりくみを追求します。

 

Ⅱ 具体的要求・活動と経過・情勢・課題

1 憲法改悪に反対し、平和・人権・環境が尊重される社会をつくります。

(1)憲法改悪阻止、立憲主義を取り戻すため、日教組とともに積極的にとりくみます。

各県・地域でとりくまれる「戦争をさせない1000人委員会」「総がかり行動」「さようなら原発1000万人アクション」の活動等に積極的に参加します。

具体的には①毎月19日の全国での統一行動に各地域で参加する、②各県・地域の街頭宣伝行動に参加する、③政府の戦争法の発動の動きに対応してとりくむ、④違憲訴訟を支援する、⑤5・3憲法記念日の各地集会に参加する、⑥沖縄と連帯してたたかう、などのとりくみをすすめます。

「戦争法」「共謀罪」「特定秘密保護法」の廃止を求めとりくみます。

(2) 7月の参議院選挙では、比例区みずおか俊一、北海道選挙区勝部賢志日政連候補、および各単会推薦候補の必勝をめざしとりくみます

(3) 普天間基地の即時運用停止、辺野古新基地建設阻止のために、沖縄両退教との連携をさらに強め、とりくみます。

日退教第10次沖縄交流団を派遣します。単会やブロック単位で沖縄の状況を理解し連帯を強めるための学習会や現地行動参加にとりくみます。また、全国各地の米軍基地反対闘争・合同演習反対運動に積極的に参加します。

(4) 日米地位協定の問題を追及し、改定を求めてとりくみます。

(5) 軍事的緊張を煽る日本政府の姿勢を厳しく批判し、南北首脳会談・米朝首脳会談の継続・成功、そして朝鮮戦争の終結、平和協定締結、朝鮮半島の非核化、東アジアの平和的安定を求めとりくみます。

(6)  様々な通商交渉に対し、その情報開示を求め、問題点を明らかにするとりくみを平和フォーラムのとりくみに参加します。

(7) 朝鮮学校への補助金・助成金等の支給停止反対運動をすすめます。朝鮮学校生徒の「高校無償化差別」裁判闘争を支援します。ヘイトスピーチを許さず、東アジアをはじめとする諸国の人々と友好と連帯・交流を深めます。

(8) 女性の経済的自立と意思決定の場における発言力を高めることが、日本のジェンダー平等を実現するために不可欠です。昨年成立した「政治分野における男女共同参画推進法」の趣旨に沿ったとりくみを地域ですすめます。さらに、「同一価値労働同一賃金」の実現は女性の人権を国際的水準に引き上げる運動の要としてとりくみます。

 

2 安倍「教育改革」の危険性と民主教育を守るとりくみ

(1) 憲法改悪反対のとりくみと連動し、「修身」などの復活を許さず、復古的家族主義、国家主義的教育を許さないようとりくみます。

教育再生実行会議のすすめる教育・教職員に対する管理統制の強化、新自由主義政策に反対し、日教組とともに運動をすすめます。

各地域で行われる県教組・高教組、関連団体の主催する学習会・集会に積極的に参加します。

(2) 政治による教育への不当な支配に反対します。国・地方議会における教育現場介入の動きを許さないよう議会監視にとりくみます。

(3) 国の定める「統一基準」による「検閲」検定に反対します。次期教科書採択にむけては、各地域における展示会への参加や学習会への参加にとりくみます。

(4) 貧困・格差を許さないため、教育の無償化へのとりくみを強化します。

(5) 朝鮮学校への差別的扱いに反対し、生徒の裁判闘争を支援します。

 

 

3 原発再稼働を許さず、脱原発に向けたとりくみ

(1) 震災を受けた地域の復興がさらに長期間かかることを念頭に、「被災者」「被災・被害者」「被害者」それぞれの万全な生活・居住対策を政府・自治体に要求します。1947年(70年前)制定のままの災害救助法の見直しを求めます。

(2) 政府の「エネルギー基本計画」に反対し、「脱原発社会をめざす」ことを明確化させ、「復興計画」は住民・生活重視のもとするようとりくみます。

(3) 脱原発社会実現のため、原発再稼働を許さず、原発輸出に反対し、各地で行われる諸行動に積極的に参加します。自然(再生可能)エネルギー普及のための法・制度の充実を求めていきます。また、温暖化防止を名目とする原発推進に強く反対します。

(4) 日本政府に対し、核兵器の非人道性声明に署名しながら、核政策としての拡大抑止政策を変更しようとしない姿勢をただします。国連の「核兵器禁止条約」への署名・批准をもとめ、被爆国として核兵器廃絶に向けた積極的な役割を果たすよう追求します。「核兵器廃絶1000万署名」(連合・原水禁・KAKUKIN)にとりくみます。

(5) 高速増殖炉「常陽」の速やかな廃止、「もんじゅ」の廃炉作業の安全性確保、全ての原発を停止するよう求めます。

(6) 各地の自然エネルギー利用のとりくみに協力します。廃炉費用、福島原発事故処理費用の原則事業者負担を求め、託送料に上乗せすることに反対します。

(7) 4野党共同で提出された「原発ゼロ基本法案」の国会での早期審議入りを求め運動します。

(8) 妊産婦、乳幼児・子どもなど若年者の被曝を防ぐ万全の対策を求めます。住民(避難民を含めて)の精密な医療検査と治療システムの確立を求めます。

(9) 「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」の運動に参加し、「1000万署名」の達成、各種集会等の成功をめざしてとりくみます。

(9) 「連合・東北子ども応援わんぱくプロジェクト」「子どもの人権連・助成事業」のとりくみに協力します。高校生平和大使などの若者による運動のとりくみに協力します。

 

4 格差是正、社会保障の充実・発展、生活を守り、増税に反対するとりくみ

(1) 賃金の引き下げ、生活保護費の引き下げに反対します。さらなる労働法制規制緩和に反対します。社会保障の基盤である雇用の拡充を求めます。

(2) 既裁定年金の削減、デフレ下のマクロ経済スライド方式フル導入については、世代間再配分の視点から検討します。基礎年金はマクロ経済スライドの対象外とすることを求めます。短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、速やかにかつ抜本的に拡大すること、また基礎年金拠出期間延長・年金受給開始時期選択幅の拡大・在職老齢年金の適用改善を検討することを求めます。

(3) 介護保険の被保険者を医療保険加入者全体に拡大することの是非を検討します。

(4) 公的皆保険制度を堅持させ、国民健康保険の財政基盤を確立し、低所得者に対する対策を講じて無保険者を発生させないことを求めます。16年4月に導入された、医療を市場化する一部「混合診療」に反対します。

「75歳以上の医療費定率負担2割化」「所得に加え金融資産等を算定基礎とした患者負担」を実施しないこと、「医療・介護両制度の違いを無視した横並びの負担増・給付抑制」をやめることを求めます。

(5) 高齢者虐待防止法の適正・的確な運用を求め、被介護者本人の意思を尊重する社会的介護をすすめる「介護共生社会」をめざして介護保険法改善要求を強めます。また、介護従事者の賃金改善を要求します。

医療・介護の切れ目のない地域包括ケアシステムを実体化するため、地域包括ケアの要である「地域包括支援センター」の機能と財政基盤の強化を求め地域密着型サービスを拡充することを求めてとりくみます。要介護1・2の制度改悪に反対します。

(6) 公的年金積立金は、専ら被保険者の利益のために運用すること、GPIF経営委員会の構成割合は労使代表を過半数とすることを求めます。

(7) 消費税については、現行消費税の制度的課題をまず是正することを求めます。累進課税強化、金融所得課税是正を求め、消費税増税による、法人税減税肩代わりに反対します。金持ち優遇の軽減税率の導入に反対します。「給付付き税額控除」の導入を求めます。

(8) マイナンバー制度(「社会保障・税番号」制度)については、厳格な個人情報保護下での運用をもとめ、活用拡大に反対します。管理・監視社会への道を歩まぬよう注視してとりくみます。

(9)認知症・成年後見人についてとりくみの具体化を追求します。認知症対策基本法の制定と社会的損賠制度の創設を求めます。

(10) 交通政策基本法の趣旨を踏まえ、高齢者や障害者の生活に必要な移動手段確保を社会保障の一環に位置付け、地域公共交通を充実・整備することを求めます。

(11) 社会保障制度の充実・改善をもとめ退職者連合・地公退と共にとりくみをすすめます。退職者連合「2019年度社会保障制度等に関する要求」(資料参照)にもとづき運動します。

 

5 組織の拡大、強化のとりくみ

(1) 親睦・交流・運動を通じて、退職者同士のつながりを強め、会員の孤立を防ぐよう努めます。現職組織との交流を重ね、組織拡大については現職の協力を得てすすめます。現職、再任用、退職者と切れ目のない組織化を追及します。

(2) 各単会は各現職組合に働きかけ退職者組織加入方針化を追求します。同時に共同行動を積み上げます。また、再任用者を退職者組織対象(現職組合との二重加盟も視野に)とするよう現職組合との協議をすすめます。

(3) すべての県に日退教組織を作り上げるよう日教組・各県単組と連帯してとりくみます。また、地方退職者連合組織未加盟単会は加盟を追求します。

(4) 毎年5月・6月を組織拡大月間としてとりくみます。8月1日現在の組織現況・実態を調査します。組織拡大のとりくみ、日退教・各単会の組織状況・実態については、10月の組織活動交流集会で交流します。

(5) 第25回組織活動交流集会(2019年10月11日予定)は、「組織」「平和」「教育・人権」「福祉・文化」を主題におこないます。すべてのブロックからのリポートの提出ができるようにとりくみます。女性参加者の拡大にとりくみます。

(6) 第26回五者合同学習会(2019年10月10日予定)を日教組、全国退女教、教職員共済生協、日本教職員相互共済会共催で実施します。

(7) ジェンダー平等の観点にもとづき、女性会員の拡大、運動の充実に努めます。男女共生委員会を「ジェンダー平等委員会」と改称します。各種活動・集会、意思決定機関・役員への女性参画を高めるよう努めます。退職者連合の男女平等参画推進委員会の活動に積極的に参加します。研究・検討・学習・論議を含めた運動を通じて日教組退職者組織の一本化をめざします。

(8) 各単会との緊密な交流・連携体制を強めます。各単会の運動に連帯し、支えあいます。「日退教通信」は会員の交流の場としての機能をさらに強化充実します。日退教のホームページの活用を充実します。

(9) 日退教運動の拡がりと財政状況を踏まえ、組織・財政を見直します。①定期総会は隔年開催とし、定期総会を開催しない年は組織代表者会議を開催し、当面の活動を確認します。組織代表者会議の構成は各単会1(組織代表者)、ブロック女性代表者各ブロック1とします。②会費を一人年140円とします(30円増)。ただし、500人を超える人数については、会費一人90%、3000人を超える人数については80%、5000人を超える人数については70%の納入とします。会費納入額の最低は40,000円とします。①、②とも2019年度からの適用とします。

(10) 組織財政確立委員会(各ブロック代表者兼務)を引き続き設置し、将来の収入見通しに基づく、組織運営、事務局体制の検討を行います。

(11) 2019年度日退教闘争カンパにとりくみます。集約されたカンパは一般会計に繰り出し、各種運動・運営に活用します。

(12) 日教組とともに朝教同、中国教育工会など友誼団体との交流をすすめます。2019年度は過去5回の東アジア海外研修旅行をふまえ、特別企画「ソウルへの旅」を実施します。学習資料「未解決の領土問題を考える」(日退教事務局版)を作成します。

(13) 退職後の会員互助を充実するため、教職員共済生協、日本教職員相互共済会、退職教職員生きがい支援協会などの運営・運動に参加します。

(14) 平和憲法を守り、脱原発社会の実現、社会保障制度の確立を求め、日教組、退職者連合・地公退、平和フォーラムに結集し運動にとりくみます

 

 

2019年度日退教第48回定期総会 スローガン

 

教え子を再び戦場に送るな

 

□ 参議院選挙に勝利し、安倍改憲を阻止しよう。共謀罪・戦争法・特定秘密保護法の廃止を求めたたかおう。沖縄と連帯し、辺野古新基地建設をとめよう。日米地位協定の抜本的見直しをめざそう

□ 東日本大震災・熊本地震・福島第一原発事故を風化させず、被災者・被害者の生活支援打ち切りに反対し、国・企業の責任を追及しよう。原発再稼働、原発輸出に反対し、脱原発社会をめざそう。

□ 社会保障制度の改善・充実を求めよう。安心な医療・介護共生社会をめざし、地域包括ケアシステムの充実を求めよう。格差社会の是正をめざしとりくもう。

□ セクハラ・パワハラを許さず、人権が尊重され、差別や偏見のない社会、子ども達の豊かな育ちを保障する社会をつくろう。

□ 各単会の運動に連帯し、支えあおう。会員の交流と親睦を深め、生きがい活動にとりくもう。東アジア各国との連帯・交流をすすめよう。組織拡大と財政確立、日教組退職者組織の統一をめざそう。

総会宣言

 

本日、私たちは第48回定期総会を開催し、向こう1年間の活動方針を決定しました。

特定秘密保護法、戦争法、そして共謀罪や憲法改悪策動など、安倍政権の「やりたい放題」をとめなければなりません。少数者・子ども・女性へのヘイト、虐待、差別もとめなければなりません。なくさなければなりません。

安倍首相は、5月3日の憲法記念日に開催された改憲団体「日本会議」系の「公開憲法フォーラム」に送ったビデオメッセージで改めて「2020年の新憲法施行」への意欲を表明、改元を機に、改憲議論を進めるべきだと訴えました。

しかし、国会内外のとりくみで「改憲発議」を止めています。1年半ぶりに再会された衆議院憲法審査会への自民党の「改憲案」提示も阻止しています。来たる参議院選挙で改憲派議員が3分の2以上という姿を阻止できるか、正念場のたたかいです。

沖縄県民投票(2月24日)で辺野古沖の埋立てが圧倒的多数で反対されました。軟弱海底地盤改良工事で基地が完成するまで数十年かかるといわれています。それでも埋立て工事を強行しています。これは核廃棄物の最終処分地は、地元の反対があってもすすめる、秋田県や山口県に数千億円のイージス・アショアを地元が反対してもすすめる、など住民の意思を無視し、民主主義を踏みつける行為です。

東日本大震災・東電福島第1原発事故から8年が経過しました。安倍政権は福島第1原発周辺地域の避難指示解除を無理やりすすめ、「安全」「復興」を印象付けようとしています。被災者・被害者救済に熱心とはいえず、再稼働、原発輸出をすすめようとしています。わたしたちは「原発ゼロ法案」の成立を求めとりくみます。

安倍政権は、社会保障抑制政策を続けています。自民党の人生100年時代戦略本部は保険制度について「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」の考え方の下での給付と負担の見直しを強調しました。未来投資会議(議長は安倍首相)5月15日、高齢者雇用の促進等を議論し、企業に70歳までの就業機会確保を努力義務として求めています。「年金支給開始年齢の引上げは行わない」「年金受給開始年齢を自分で選択できる範囲は拡大する」ことを示しましたが、油断はなりません。

わたしたちは退職者連合、地公退とともに、社会保障の切捨てや労働法制の改悪に反対し、子育て支援の充実、ジェンダー平等を求め、運動します。

自らの力で平和・生活を守るため立ち上がりましょう。政治の流れを変え、安倍政権の横暴をとめましょう。夏の参議院選挙では比例代表には日政連みずおか俊一さんを、北海道選挙区に日政連かつべ勝治さん、さらに各単会推薦候補の当選のため全力をつくしましょう。

会員のつながりをさらに強め、仲間を増やし、高齢者と働く者の生活を大切にし、子どもが未来に希望を託せる平和な社会を実現するため、行動しましょう。

現退一致で運動にとりくみます。

以上宣言します。

2019年6月7日

日本退職教職員協議会 第48回定期総会

 

みずおか俊一候補の参議院選挙必勝を勝ち取ろう

決意

 

巨大与党を従えた長期政権の弊害が、国の統治を根腐れさせようとしています。

第25回参議院議員選挙が7月に予定されています。日教組は、教育政策をはじめ教職員の勤務条件等が法律事項であるため、あらたな法律の制定や改正には、立法過程における教職員や教育現場を背景にした意見反映は不可欠であり、日政連議員の存在が極めて重要になるとして、昨年3月に開催された臨時大会において「みずおか俊一」さんを候補者として推薦決定しました。私たち日退教もさる昨年6月8日に開催された、第47回定期総会において推薦決定しました。

5月末、トランプ米大統領来日対し、安倍首相は、究極の「おもてなし」をし、「貸し」をつくったことも、互いの選挙を意識してのことです。夏の参院選を前に「農業票」を逃したくない安倍政権と、貿易不均衡の是正に意欲を示すトランプ政権の思惑の一致です。なんとしても自らの手で「憲法改正」を成しとげたい安倍首相は、自らにとって不都合なことは、経済であれ、社会保障であれ、選挙後に先送りしています。

先行き不安をかかえた若者たちは「強い日本を取り戻す」「一億総活躍社会」などのメッセージに引き寄せられてしまう。経営環境の苦しい経営者は改善するまでこの政権を支持し続けようとする。そして日本会議など確信的な者が支えて、「他より良さそう」政権が支持率を維持する構造が続いています。

今次参議院選挙は衆参同時選挙の可能性を否定できません。私たちは少なくとも改憲勢力3分の2を許すことなく、政治の流れを大きく変える選挙にしなければなりません。

そのためにも「みずおか俊一」候補の必勝を何としても勝ち取ります。残された期間、できることは何でもやり遂げる決意をここに表明し全力でとりくみます。

 

2019年6月7日

日本退職教職員協議会 第48回定期総会

 


2014年度活動方針

2014610日 第43回定期総会

 

はじめに

1 「(憲法解釈の)最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任をもって、そのうえで私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは、内閣法制局長官ではない。私だ」

集団的自衛権をめぐる国会審議での首相発言です。

日本国憲法のもとでは集団的自衛権の行使は認められない――。歴代内閣のこの憲法解釈を、安倍内閣は改めようとしています。歴代内閣は一方で、「情勢の変化などを考慮するのは当然だ」としつつも、「政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではない」との見解を示してきました。解釈改憲ですまそうという態度は、民主主義への挑戦です。首相の一連の答弁から浮かび上がるのは、憲法による権力への制約から逃れようとする首相の姿勢です。

201212月の総選挙で政権に復帰し、同年7月の参議院選挙でねじれを解消した自民・公明党は、「当分、国政選挙もない。やれることは、今のうちに、どんどんやってしまおう」と、なりふり構わず「戦争のできる国づくり」「戦争をする国づくり」の道をすすんでいます。

政治的反撃を来年4月の統一地方選挙を中心とする各級自治体選挙からとりくむことが重要です。

2 311大震災から早くも3年が過ぎました。

復興に向けた動きはなかなかすすみません。未だ26万人の方々が避難生活を余儀なくされています(2014311日)。とくに住居の確保が遅れています。避難者のうち、生活環境が厳しいプレハブの仮設住宅で暮らす人は岩手、宮城、福島の3県で約9万7千人に上っています。東京電力福島第1原子力発電所事故の影響を最も受けている福島県では、県外に避難する人が47,995人(2014311日)います。

19兆円の復興予算が特別会計に置かれ、防災や津波対策という名目があれば、被災地以外でも予算が使えることになっていました。

東電福島第1原発事故はまったく収束できていません。その一方、民主党政権での原発ゼロ方針を変更し政府は「エネルギー基本計画(2014411日閣議決定)」では原発をベースロード電源と位置付け、再稼動、原発推進の姿勢を明らかにしました。

3 自民党は20124月憲法改正草案をまとめました。(見直し作業に着手する方針を固めましたといわれています。公明党の賛同を得やすくし、与党統一の改憲案作成につなげるのが狙いです。)

自民党の改憲草案は、戦力の不保持をうたった現行憲法92項を削除し、「自衛権」を条文に明記し、「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、首相を最高指揮官とする国防軍を保持する」と規定しました。

9条以外にも、緊急事態法新設や、改憲の発議要件の緩和などの中から優先順位の高い項目を選び、改憲草案の部分修正に着手する方針と思われます。

さらに教育再生実行会議のすすめる「教育改革」や労働法制の改悪は戦争への道の地ならしです。 平和フォーラムのすすめる「戦争をさせない1000人委員会」の活動にともにとりくみます。

4 本年4月1日から消費税が8%に増えました。自民党政治家にとっては(官僚にとっても)、打ち出の小槌といえ、消費税増税決定前から、大幅増の概算要求をしていました。安倍首相は、消費税増税分は、毎年1兆円増え続ける社会保障費に全額使うと言っていましたが、これはまやかしで、消費税分の一部を社会保障費に充当し、浮いた分を一般会計に戻し、社会保障費ではなく、国土強靭化計画に大幅に充当しました。

「アベノミクス」の円安効果により、株価が上昇し、一部輸出関連企業の経営が良くなったとも言われています。本来、景気が良くなるということは、働いている人の雇用が増え、賃金があがって将来の見通しが明るくなること、日本の経済を支えている中小企業の経営が好転し、設備投資や雇用増が実現することですが、現実には、円安による輸入材料費等の高騰や消費税分の価格転嫁ができないことなどで中小企業の倒産件数が増加し、小麦粉などの輸入食材料費の値上げは食品の高騰で物価高が私たちの生活を直撃しています。

自・公への政権交代後、新しい経済政策と並行して、日本企業の競争力をつけるためにと、「働いている人の解雇を自由にすべきである」とか、「労働時間の規制を緩和しょう」、さらに正社員よりも給料が安くて解雇しやすい「限定正社員」制度を作ることなどが主張されています。そのうえ、派遣労働規制の大幅緩和、「残業代ゼロ」法案など、働く人々の健康や生活を全く考えない議論がなされています。労働法制の改悪も戦争への道づくりです。改悪阻止に現退一致でとりくみます。

5 高齢化はますます進みます。社会保障制度改革も昨年の臨時国会で強行成立させた「プログラム法案」に基づき、現第186国会に医療・介護一体法案として提案されています。要支援12の介護保険からの切り捨て、一定以上の収入がある人の介護保険利用料負担2割、個人金融資産一定額越えの人は施設使用の補足給付(食費・宿泊費)なし、特養入所は要介護3以上など介護保険制度の見直しなどが提案されています。

民主党政権下では、最低賃金の引き上げ、パート労働の均等待遇への改善(社会保険への加入など)、雇用保険の加入要件の緩和、非正規社員から正社員への転換、求職者支援制度の創設などの政策がすすめられてきました。さらに高校無償化や、2兆円を投入し子ども手当を中学生に拡大、保育、教育、そして医療、介護、障害者福祉の充実を重点に予算配分を行ってきました。今すすめられている安倍政権の「人からコンクリートへ」、「地方から中央へ」、「福祉から軍事へ」の流れを変えなければなりません。

日退教のすべての単会は、連帯を強め、すべての人が平和な社会に、人権が尊重される社会に、そして安全で安心な社会に生きることができるよう、親睦と交流をおおいに深めながら、活動します。

 

Ⅰ 活動の基調                                                               

1 安倍政権の「戦争ができる国づくり」路線、集団自衛権行使容認・自衛隊海外派兵に反対します。特定秘密保護法の廃止を求めます。憲法改悪を許さず、「戦争をさせない1000人委員会」の活動に積極的に参加します。

2 政治的変革をもとめ、2015年に行われる統一地方選挙を中心に当面する各級自治体首長・議員選挙において推薦候補者の当選をめざしてとりくみます。

3 辺野古新基地建設に反対し、普天間基地の撤去・海外移設をめざして沖縄と連帯しとりくみをすすめます。

4 原発再稼働に反対し、安心して暮らせる脱原発社会をめざしてとりくみます。

東日本大震災「被災者」、原発震災「被災・被害者」への生活保障・賠償など早期に行わせるようとりくみます。復興は、住民の意思を十分尊重して行うように要求しとりくみます。

5 「戦争ができる国づくり」のための教育再生実行会議が打ち出す「教育改革」に反対し、民主教育の確立を追求し、運動にとりくみます。

6 年金・医療・介護などの社会保障制度や税制の改善を求め退職者連合、地公退と共に運動をすすめます。単身・高齢者のみの世帯が増加する動向を踏まえ、「必要なサービスが必要な時」に利用できるよう制度と基盤を整備することを求めとりくみます。高齢者の健康を維持・促進させる新高齢者医療制度の早期確立、後期高齢者医療制度の廃止を求めとりくみます。

7 安倍政権の「三本の矢」政策やTPP参加が、私たちの生活を脅かし、国の財政や産業に危険をもたらすことを明らかにし、高齢者・労働者の生活を守る運動を強化します。 格差社会の是正を求め、労働法制改悪に反対しとりくみます。

8 各単会の課題を交流し、連帯・支えあいの日退教活動を充実させます。会員の親睦・交流を深め、生きがいを求めて活動できる場を拡大し、組織の拡大・強化にとりくみます。日退教運動を通じて、日教組退職者組織の一本化をめざします。共済制度の充実を求め活動に参加します。

9 貧困・飢餓の根絶など民生による海外支援をすすめます。東アジア諸国との国際交流、連帯活動を強めます。

10 活動は現退一致でとりくみを追求します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ⅱ 具体的要求と活動

    

1 憲法改悪に反対し、平和・人権・環境が尊重される社会をつくります。

(1) 憲法改悪を許さないため、日教組、平和フォーラム(フォーラム平和・人権・環境、地公退として加盟)とともに各県・地域でとりくまれる憲法を守る集会・改悪阻止集会等に積極的に参加します。特定秘密保護法廃止を求めます。

(2) 2015年に行われる統一地方選挙、本年11月の沖縄県知事選など各級自治体選挙における日政連議員、推薦議員の当選を期してたたかいをすすめることから政治的反撃、変革を求め行動します。

(3) 普天間米軍基地の固定化を許さず撤去を強く要求し、辺野古新基地建設に反対します。オスプレイ配備、全国各地での訓練飛行に反対します。日退教パンフ「沖縄とヤマト」を補強し、第5次沖縄交流団を派遣します(2014年9月28・29日)。また、沖縄を始め全国各地の米軍基地反対闘争・合同演習反対運動に積極的に参加します。

(4) 朝鮮学校通学生への高校無償化適用除外・補助金適用除外反対運動をすすめます。朝鮮学校生徒の裁判闘争を支援します。また、会員の経験を生かし、東アジア諸国の人々と友好と連帯・交流を深めます。(経過と情勢・課題は教育の項)

(5) 戦争させないアクション「戦争をさせない1000人委員会」の活動に積極的に参加します。そのため、単会におかれている「憲法理念の教育基本法の会」などを活動の受け皿とし、とりくみの具体化をはかります

 

  

2 安倍「教育改革」の危険性と民主教育を守るとりくみ

(1) 子育ては社会の責任という視点を明確にして、教育再生実行会議のすすめる教育・教職員に対する管理統制の強化、新自由主義政策に反対し、日教組とともに運動をすすめます。

(2) 歴史・事実の歪曲を許さないため「教科書点検活動」をすすめ、学校採択など民主的な教科書採択をめざします。各地域における教科書採択にさいして展示会への参加や学習会への参加を通して、行動します。

(3) 大阪、北海道などの職員団体、教職員の思想・信条攻撃に反対するとりくみを強めます。

(4) 朝鮮学校への差別的扱いに反対し運動します。生徒の裁判闘争を支援します。

 

 

3 東日本大震災復興と脱原発社会実現のとりくみ

(1)  地域の復興が長期間かかることを念頭に、「被災者」「被災・被害者」「被害者」それぞれの万全な生活・居住対策を政府・自治体に要求します。

(2) 脱原発社会実現のため、中央・地方で行われる各行動に積極的に参加します。

(3) 原発事故事件に「公害」の視点を入れ、事故原因が、政府・東京電力などの責任にあることを明らかにし、安易な企業への財政支援、電気料金の引き上げ、増税などによる国民への負担増を行わないよう要求します。また、住民の望む生活保障・賠償を早急に行わせることを求めます。

(4) 妊産婦、乳幼児・子どもなど若年者の被曝を防ぐ万全の対策を求めます。住民(避難民を含めて)の精密な医療検査と治療システムの確立を求めます。

(5) 大震災・原発事故被災者とくに子どもたちへの支援を中心にしたカンパを継続します。

(6) 高速増殖炉は直ちに廃止するとともに、全ての原発を停止するよう求めます。また、プールに貯蔵してある核燃料廃棄物が危険な状況にあることを明確にして早急な対応を求めます。

(7) 政府の「エネルギー基本計画」に反対し、再稼働を許さず「脱原発社会をめざす」ことを明確化させ、「復興計画」は住民・生活重視のものするようとりくみます。

(8) 自然エネルギーの開発など脱原発、環境にやさしい地域づくりなど環境問題・食料問題などにとりくむ単会や会員の実践などの共有化をすすめます。

(9) 「連合・東北子ども応援わんぱくプロジェクト」に協力します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4 格差是正、社会保障の充実・発展、生活を守り、増税に反対するとりくみ

(1) 「労働者派遣法」の改悪、あらたな「残業代ゼロ法案」など労働法制規制緩和に反対します。

(2) 社会保障制度の充実・改善をもとめ退職者連合・地公退と共にとりくみをすすめます。

(3) 年金財源の基礎部分全額税方式・消費税化に反対します。累進課税強化による再配分を求めます。既裁定年金の削減、デフレ下のマクロ経済スライド方式導入に反対します。

基礎年金はマクロ経済スライドの対象外とすることを求めます。

(4) 年金からの税・保険料の天引きに反対し、負担軽減の運動をすすめます。「公的年金等控除の最低保障額140万円」「老年者控除50万円」を速やかに復元することを求めます。

(5) 現退一致で年金・賃金の引き下げに反対し、生活保護費の引き下げに反対します。

(6) 公的皆保険制度を堅持すること。その基礎としての国民健康保険の財政基盤を確立し、低所得者に対する対策を講じて無保険者を発生させないことを求めます。医療を市場化する「混合診療」の導入に反対します。高齢者医療制度改革をすすめ、後期高齢者医療制度を廃止させます。

(7) 高齢者虐待防止法の適正・的確な運用を求め、被介護者本人の意思を尊重する体制づくりを求めるとともに、「介護共生社会」をつくりあげる社会的介護をめざして介護保険法改善要求を強めます。また、介護従事者の賃金改善を要求します。

医療・介護の継ぎ目のない地域包括ケアシステムを実体化するため、地域包括ケアの要である「地域包括支援センター」の機能と財政基盤の強化を求め、「小規模多機能型居宅介護」をはじめとする地域密着型サービスを拡充することを求めてとりくみます。

介護の切り捨てが懸念される「要支援1・2」の地方事業への一部移管、利用者負担の引き上げ(合計所得160万円以上者利用料負担現行1割から2割へ)、「補足給付」用件(金融資産1000万円以下)条件付けに反対しとりくみます。

(8) 大衆課税増税に反対し、15年の消費税増税(10%)の実施判断は、税制自体の懸案事項の明確な改革、増税に伴う低所得者対策などが明確にならない限り反対する立場で臨みます。

免税点・簡易課税制度など、現行消費税の制度的課題を是正することを求めてとりくみます。

(9) 「社会保障・税番号」については、集積情報を限定させ、個人情報保護を重視し、漏洩責任、補償などのルールをあらかじめ明らかにすることを求めます。

 

 

5 組織の拡大、強化のとりくみ

(1) 「連合・生涯組合員構想」「退職者連合300万アクションプラン」をもとに、組織拡大方針を強化します。

(2) 日退教から日教組本部に働きかけ、日教組101回大会(2013年8月)で決定された方針にもとづき、退職者組織加入はたらきかけの具体化を求めます。各単会は各現職組合に働きかけ方針化を追求します。同時に共同行動を積み上げます。また、再任用者を退職者組織対象(現職組合との二重加盟も視野に)とするよう現職組合との協議をすすめます。

(3) すべての県に日退教組織を作り上げるよう日教組・各県単組と連帯してとりくみます。また、地方退職者連合組織未加盟単会は加盟を追求します。

(4) 7月末に組織現況調査を行い、組織活動交流集会で交流し、その後の組織活動・次年度予算などの資料にします。

(5) 第20回組織活動交流集会(2014年10月予定)は、「組織問題-組織づくり、組織強化、組織拡大」をすべての分散会で討議できるように組み立て、「平和」「教育・人権」「福祉・文化」を主題におこないます。すべてのブロックからのリポートの提出ができるようにとりくみます。女性参加者の拡大をめざします。

(6) 第21回五者合同学習会(2014年10月)は日教組、全国退女教、教職員共済生協、日本教職員相互共済会とともに学習する貴重な機会であり、主題・すすめ方などを意思統一して充実するようとりくみます。

(7) 05年度に確認された「日退教男女共生運動5項目」にもとづき、その運動課題を実現するため女性会員の拡大・運動の充実に努めます。男女共生委員会の研究・検討・論議を含めた運動を通じて日教組退職者組織の一本化をめざします。退職者連合の男女平等参画委員会で「介護共生社会」の実現のため積極的な議論を求めます。

(8) 各単会との緊密な交流・連携体制を強めます。各単会の運動に連帯し、支えあいます。「日退教通信」は会員の交流の場としての機能をさらに強化充実します。日退教のホームページの活用を充実します。

(9) 自主財政の確立をめざしてブロック代表者で構成する組織財政確立委員会で、引き続き検討をすすめます。

(10) 日教組とともに朝教同、日朝教育文化交流協会、中国教育工会など友誼団体との交流を深め、会員のニーズに応えた交流をすすめます。2014年度は東アジア交流の旅第1回中国ツアー(10月23日~27日)を実施します。

(11) 退職後の会員互助を充実するため、教職員共済生協、日本教職員相互共済会などの運営・運動に参加します。既存の共済・保険を補完する「生涯変わらぬ医療・生命保険」の検討、紹介活動に、各単会と協議の上とりくみます。

(12) 平和憲法を守り、脱原発社会の実現、社会保障制度の確立を求め、日教組、退職者連合・地公退、平和フォーラムに結集し運動にとりくみます。

 

 

2014年度日退教第43回定期総会 スローガン

 

教え子を再び戦場に送るな

 

一 憲法改悪・集団的自衛権行使容認などを許さず、平和な社会を築くため行動しよう。「戦争をさせない1000人委員会」の運動に積極的に参加しよう。基地強化に反対し、普天間基地など米軍基地を撤廃させよう。

一 東日本大震災・福島第一原発事故を風化させず、被災者・被害者支援に引き続きとりくもう。原発再稼働を許さず脱原発社会をめざそう。

一 日教組・地公退・退職者連合と連携し、社会保障制度の改善・充実を求めよう。

・ 「後期高齢者医療制度」を廃止し、安心な医療体制をめざし、高齢者医療制度の改善をすすめよう。

・ 介護保険制度の改悪に反対し、介護共生社会をめざし、充実した社会的介護制度の確立に向け、地域からのとりくみをすすめよう。

・ 年金制度の改悪、受給額の切下げを許さず、さらなる大衆増税に反対しよう。

一 教育制度の改悪、労働規制の緩和に反対し行動しよう。差別や偏見のない、子ども達の豊かな育ちを保障する社会をつくろう。雇用保障、貧困撲滅、格差社会の是正をめざしとりくもう。

一 2015年統一地方選挙をはじめとする各級自治体選挙に勝利し、国政の改革につなげよう。

一 TPP参加に反対し、食料問題、環境問題、医療・共済問題のとりくみをすすめよう。教職員共済生協・相互共済会・生きがい支援協会の活動に参加し、豊かで、安心な生活をめざそう。東アジア諸国との連帯・交流活動にとりくもう。

一 各単会の運動に連帯し、支えあおう。会員の交流と親睦を深め、生きがい活動にとりくもう。組織拡大と財政確立、日教組退職者組織の統一をめざそう

  

 

 

 

 

 

 

 

 

総会宣言(案)

 

日退教は本日第43回定期総会を開催し、2014年度の活動方針を決定しました。

さる515日、安倍首相は解釈改憲による集団的自衛権行使という「憲法ハイジャック」(小林節、山口二郎)の方向性を打ち出しました。

日本国憲法のもとでは集団的自衛権の行使は認められない――。歴代内閣のこの憲法解釈を、いま安倍内閣は変えようとしています。解釈改憲ですまそうという態度は、民主主義への挑戦です。なりふり構わず「戦争のできる国づくり」「戦争をする国づくり」の道をすすんでいます。教育委員会制度の改悪など教育再生実行会議のすすめる「教育改革」や、派遣労働規制の大幅緩和、「残業代ゼロ」法案などの労働法制の改悪は戦争への道の地ならしです。「戦争をさせない1000人委員会」に結集し、行使容認阻止の運動に積極的にとりくみます。

沖縄県民の願いを踏みにじり仲井真知事は、辺野古の埋め立てを承認し、沖縄防衛局は入札をはじめています。今秋の沖縄県知事選は重要なたたかいです。辺野古新基地建設に反対し、普天間基地の撤去・海外移設をめざして沖縄と連帯しとりくみをすすめます。

 

311大震災から早くも3年が過ぎました。

東電福島第1原発事故はまったく収束できていません。その一方、政府は「エネルギー基本計画(2014411日閣議決定)」では原発をベースロード電源と位置付け、再稼動、原発推進の姿勢を明らかにしました。震災と放射線による健康被害は、生活環境や産業・経済・雇用はもとより、子どもたちや教育活動にも深刻な影響を及ぼしています。

私たちは脱原発社会の実現に向けてとりくみます。

 

本年4月1日から消費税が8%に増えました。消費税増税分の一部を社会保障費に充当しただけで、浮いた分を国土強靭化計画に大幅に充当しました。円安・株価上昇で、一部輸出関連企業の経営が良くなったとも言われています。その一方輸入材料費等の高騰や消費税分の価格転嫁ができないことなどで中小企業の倒産件数が増加しています。また小麦粉などの輸入食材料費の高騰は食品価格の値上げをもたらし私たちの生活を直撃しています。「アベノミクス効果による景気回復」などに惑わされてはなりません。

 

医療・介護総合法案が今第186国会に提案されています。要支援12の介護保険からの切り捨て、一定以上の収入がある人の介護保険利用料負担2割、個人金融資産一定額越えの人は施設使用の補足給付(食費・宿泊費)なし、特養入所は要介護3以上など介護保険制度の見直しなどが提案されています。介護の切捨ては許されません。退職者連合に結集し改悪反対の運動をすすめます。

 

安倍政権の「人からコンクリートへ」、「地方から中央へ」、「福祉から軍事へ」の流れを変えなければなりません。来年4月の統一地方選挙を中心とする各級自治体選挙にとりくみ、政治的反撃を作り出すことが重要です。日退教は、大震災・東電福島原発事故(事件)を風化させることなく、平和な福祉国家、介護共生社会、脱原発社会をつくりあげるため運動をすすめます。会員の連帯をさらに強化し、結集と拡大をすすめます。そして、運動体としての機能を強化し、現退一致で高齢者と働く者の生活が大切にされる社会、子どもが未来に希望をもてる社会を実現します。

以上宣言します。

2014610日                  第43回日本退職教職員協議会定期総会

 

 

 

 

日本退職教職員協議会 2013年度 活動方針

 

2013年6月14日
第42回定期総会

 

Ⅰ 活動の重点(基調)

  • 1 憲法を守り、子どもの未来を築く社会を実現し、安心して暮らす社会を作り上げるため、7月に予定される参議院選挙では神本みえ子および日政連議員必勝に向けて、総力を挙げたとりくみをすすめます。
  • 2 主権在民、民主主義否定の憲法96条改悪を許さないため、幅広く「憲法理念の教育基本法の会」運動を進めます。
  • 3 米軍再編・基地強化を許さず、辺野古軍事基地新設を認めず、普天間基地の撤去・海外移設をめざしてとりくみをすすめます。
  • 4 集団自衛権、自衛隊海外派兵、派兵を恒久化する国際平和協力法に反対し、貧困・飢餓の根絶など民生による海外支援をすすめます。東アジア共同体の実現に向け、国際交流、連帯活動を強めます。
  • 5 東日本大震災「被災者」の生活保障、原発震災「被災・被害者」への生活保障・賠償などを優先し遅滞なく進めさせます。復興は、住民の意思を十分尊重して行うように要求します。
  • 6 原発事故が「公害」であることを明らかにし、企業の責任を明らかにし賠償を行わせます。原発再稼働に反対し、安心して暮らせる脱原発社会を目指してとりくみます。
  • 7 国民皆保険を維持し、高齢者の健康を維持・促進させる新高齢者医療制度の早期に確立させ、後期高齢者医療制度を廃止させます。また、年金・医療・介護などの福祉制度や税制の改善を求め退職者連合、地公退と共に運動を進めます。
  • 8 安倍政権の「三本の矢」政策やTPP参加が、私たちの生活を脅かし、国の財政や産業に危険をもたらすことを明らかにし、高齢者・労働者の生活を守る運動を強化します。
  • 9 格差社会の是正を求め、企業の社会的責任を重視し、累進課税を強化し、税の応能負担を求め、大衆課税・消費税増税に反対します。
  • 10 会員の親睦・交流を深め、生きがいを求めて活動できる場を拡大し、組織の拡大・強化にとりくみます。日退教運動を通じて、日教組退職者組織の一本化を目指します。共済制度の充実を求め活動に参加します。

 

Ⅱ 具体的な要求ととりくみ

 

1 憲法・平和を守り民主教育をすすめるとりくみ

  • (1) 日教組と日退教、各単会が一体となった選挙態勢をつくり上げ参院選勝利に向けてとりくみを強めます。それらの活動を通じて、憲法と平和・人権・環境を守りぬく勢力の拡大に努めます
  • (2) 憲法96条改悪を許さないため、各県・地域で進められている憲法を守る集会・改悪阻止集会(仮称)等に参加します。
  • (3) オスプレイ配備、全国各地での訓練飛行に反対します。普天間米軍基地の固定化を許さず撤去を強く要求し、辺野古新基地建設に反対します。日退教パンフ「沖縄とヤマト」を補強し、沖縄交流団を派遣します。また、沖縄を始め全国各地の米軍基地反対闘争・合同演習反対運動に積極的に参加し、軍拡に反対し核廃絶を求めていきます。
  • (4) アジア諸国・地域との平和・友好を深め、東アジア共同体の実現に向けて、植民地支配の誤りと清算を政府に求め、日教組、平和フォーラムなどと朝鮮学校への高校無償化適用除外・補助金適用除外反対運動をすすめます。また、会員の経験を生かし、東アジア諸国の人々と友好と連帯・交流を深めます。40週年事業の一環として「ゆっくり学び、人とつながる―西安滞在型養生旅行」(10月20日~29日)を成功させます。
  • (5) 若い世代と歴史を共有するために、各単会で「戦争証言集」「日本国憲法・’47教育基本法設置の頃の教育現場の証言集」などを作成し、保存する運動などにとりくみます。
  • (6) ジェンダーに対する攻撃をはねのけ男女共生社会づくりを進めます。これからさらに深刻になるであろう「高齢低所得単身女性」の問題に、退職者連合と共にとりくみを進めます。
  • (7) 子育ては社会の責任という視点を明確にして、教育再生実行会議のすすめる教育・教職員に対する管理統制の強化、新自由主義政策に日教組とともに反対し運動をすすめます。歴史・事実の歪曲を許さないため「教科書点検活動」をすすめ、学校採択など民主的な教科書採択を目指します。
  • (8) 大阪、北海道などの職員団体、教職員の思想・信条攻撃に反対するとりくみを強めます。

 

2 東日本大震災と脱原発のとりくみ

  • (1) 東電福島第一原発が依然として、危険な状況にあることを認識し、空気中・水中・土壌などへの放射能飛散状況、事故時の事実などの記録情報のいっそうの公開を求めます。
  • (2) 地域の復興が長期間かかることを念頭に、「被災者」「被災・被害者」「被害者」それぞれの万全な生活・居住対策を政府・自治体に要求します。
  • (3) 原発事故事件に「公害」の視点を入れ、事故原因が、政府・東京電力などの責任にあることを明らかにし、安易な企業への財政支援、電気料金の引き上げ、増税などによる国民への負担増を行わないよう要求します。また、住民の望む生活保障・賠償を早急に行わせることを求めます。
  • (4) 事故の復旧に携わる原発労働者等の被曝状況を明らかにし、その対応、健康被害への対策を求めます。今までに「手抜き除染」「作業者名簿」「賃金の中抜き」などの隠ぺい工作を行った者の責任を明らかにすることを求めます。
  • (5) 妊産婦、乳幼児・子どもなど若年者の被曝を防ぐ万全の対策を求めます。住民(避難民を含めて)の精密な医療検査と治療システムの確立を求めます。子どもたちの支援を対象にした原発カンパを継続させます。
  • (6) 危険で、実現不可能な高速増殖炉は直ちに廃止するとともに、全ての原発を停止するよう求めます。また、プールに貯蔵してある核燃料廃棄物が危険な状況にあることを明確にして早急な対応を求めます。再処理が不可能であることを前提に核燃料廃棄物の最終処理について方針を明示することを求めます。
  • (7) 復興計画の中に、「脱原発社会をめざす」ことを明確化させ、「復興計画」は住民・生活重視のものとさせます。
  • (8) 自然エネルギーの開発など脱原発、環境にやさしい地域づくりなど環境問題・食料問題などにとりくむ単会や会員の実践などの共有化をすすめます。

 

3 社会保障の充実・発展、生活を守り、増税に反対するとりくみ

  • (1) 退職者連合・地公退と共に高齢者医療制度改革をすすめ、後期高齢者医療制度を廃止させます。
  • (2) 年金財源の基礎部分全額税方式・消費税化に反対し、累進課税強化による再配分を求めます。既裁定年金の削減、デフレ下のマクロ経済スライド方式適用に反対します。
  • (3) 年金からの税・保険料の天引きに反対し、負担軽減の運動をすすめます。
  • (4) 現退一致で年金・賃金の引き下げに反対し、非正規労働者の正規雇用化をすすめ、生活保護費の引き下げに反対します。
  • (5) 高齢者の税制控除や老年者控除を復活するよう要求します。大衆課税増税に反対し、14年、15年の消費税増税の実施判断は、税制自体の懸案事項の明確な改革、増税に伴う低所得者対策などが明確にならない限り認めない立場で臨みます。
  • (6) 老人虐待防止法の適正・的確な運用を求め、被介護者本人の意思を尊重する体制づくりを進めるとともに、「介護共生社会」をつくりあげる社会的介護を目指して介護保険法改善要求を強めます。また、介護従事者の賃金改善を要求します。
  • (7) 「マイナンバー」導入に対し、情報の集積を限定させ、個人情報保護を重視し、漏洩責任、補償などをあらかじめ明らかにすることを求めます。

 

4 組織の拡大、強化のとりくみ

  • (1) 「連合・生涯組合員構想」をもとに、組織拡大方針を強化します。
  • (2) 日退教から日教組本部に働きかけ、退職者組織加入の日教組方針化を求めます。各単会は各現職組合に働きかけ方針化を追求します。同時に共同行動を積み上げます。また、再任用者を退職者組織対象とするよう現職組合に働きかけます。(現職組合との二重加盟も可とします)
  • (3) すべての県に日退教組織を作り上げるとともに日教組・各県単組と連帯して新退職者の加入を促進します。また、地方退職者連合組織未加盟単会は加盟を追求します。
  • (4) 7月末に組織現況調査を行い、組織活動交流集会で交流し、その後の組織活動・次年度予算などの資料にします。(組織拡大、運動を共通課題としてアンケートを行います。)
  • (5) 組織活動交流集会は、「組織問題-組織づくり、組織強化、組織拡大」をすべての分散会で討議できるように組み立て、「平和」「教育・人権」「福祉・文化」を主題におこないます。すべてのブロックからレポートの提出があるようにとりくみをすすめ、女性参加者の拡大をめざします。
  • (6) 五者合同学習会は、組織活動交流集会と連動して行います。日教組、全国退女教、教職員共済生協、日本教職員相互共済会とともに学習する貴重な機会であり、主題・すすめ方などを意思統一して充実するようとりくみます。
  • (7) 05年度に確認された「日退教男女共生運動5項目」にもとづき、その運動課題を実現するため女性会員の拡大・運動の充実に努めます。男女共生委員会の研究・検討・論議を含めた運動を通じて日教組退職者組織の一本化を目指します。退職者連合の女性委員会に積極的に「介護共生社会」の実現を訴えます。
  • (8) 各単会との緊密な連携体制を強めるために、本部に構築したネットワークを基本に全国ネット-ワークづくりをすすめます。日退教のホームページ立ち上げをはかり「事務局速報」と共に素早い情報伝達に努めます。「日退教通信」は会員の交流の場としての機能をさらに強化充実します。
  • (9) 日退教40周年を記念し、9月14日(土)に式典を行います。また、40年の沿革をまとめた記念誌を発行します。また、新しい時代の日退教組織と自主財政の確立を目指してブロック代表者で構成する組織財政確立委員会で、引き続き検討をすすめます。

 

5 日退教生きがい創生・交流活動、友誼団体との連携

  • (1) 各単会・会員の蓄積された経験などを交流します。
  • (2) 日教組とともに朝教同、日朝教育文化交流協会、中国教育工会など友誼団体との交流を深め、会員のニーズに応えた交流をすすめます。
  • (3) 退職後の会員互助を充実するため、教職員共済生協、日本教職員相互共済会など運営・運動に参加します。

 

6 退職者連合、地公退との連携・共闘

脱原発社会の実現、社会保障制度の確立を求め、日教組、退職者連合・地公退、平和フォーラムに結集し運動にとりくみます。